RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

グスコーブドリの伝記@109シネマズ川崎 2012年7月19日(木)

席数89の【シアター8】は半分程度の入り。
以外なことに、中年のおじさんが居たりして
客層は幅広いのだが、矢張り、子供連れが圧倒的に多い。

しかし、この作品、見終わって思うのだが、
ホントに子供が観て、楽しめるのか?

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原作となった童話を、ほぼ忠実に映画化している様だ。

山奥の村に住む『グスコーブドリ』は父母と妹と幸せに暮らしていた。
が、冷害と旱魃が打ち続き、『ブドリ』以外の三人は姿を消してしまう。

やがて街に出た『ブドリ』は「イーハトーブ火山局」の技師となる。
しかし、彼の家族を離散させた冷害が再び襲う。
『ブドリ』は国を救う為に立ち上がる。


登場人物は全て猫の姿で描かれる。また、
父母や妹が居なくなる経緯も暗喩的で、
直接的な死の表現とはなっていない。
それはラストシーンまで徹底され、
全てが、ソフトで抑えられた表現。

意図されたものとは思うが、
逆に感情移入することができない主要因にもなっている。

一方、時として挟み込まれる幻想的なシーンは、
妙におどろおどろしい。


『ブドリ』の行動自体も唐突感があるし
各シークエンス間の繋ぎも悪く、
パッチワークの様な一作になっている。

観ていて、珍しく、飽きてしまった。

しかし、不思議なことに二時間近い尺をあまり長くは感じず、
それは、美しく不思議な背景の描写の妙に助けられている様だ。


何故この時期にこの作品なのか、と思うところはある。
彼の自己犠牲の精神は立派なのだが、
それは本作で伝わっただろうか。

途中で携帯を開いて見る、
前の席をぶらぶらさせた足で蹴る、
何れも開映前のシネアドで注意喚起されている行為だが、
それをやっている子供が散見され、
つくづく幼さの反応は正直だと思った。

要は、決定的に、面白くない
のだ。