RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

神様のカルテ@109シネマズ川崎 2011年9月4日(日)

席数345と、広めの【シアター6】の入りは
四割程度と、かなり淋しい。
客層は、小・中・高の少女連れが圧倒的に多く、
勿論、主演男優狙いということは一目瞭然だが、
それにしても騒がしい。

あれだけ、上映前のワーニングで
「上映中はお静かに」と言っているのに、
全然聞いてやしない。
しかも、落ち着きも無く、席の背中をかなり蹴るしな。
おいおい、これも同時に「やってはいけません」と
言われていたでしょ、と毒づきたくもなるよねぇ。

ま、これを機に、映画館に通うようになれば、
段々と、改まっていくんだろうか・・・・。

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地域の総合病院の勤務医『栗原一止(櫻井翔)』
は周囲からは「引き」のある先生と呼ばれている。
彼が当直の時には、救急の来患が、
通常時の1.5倍になるというジンクスがあるのだ。

忙しい合間を縫って、近隣の大学病院の研修に行った『一止』は
末期癌の患者『安曇雪乃(加賀まりこ) 』を診察する。
彼女は、最早、周辺病院からも見放され、
一縷の望みを持って来院したのだった。

患者の話に丁寧に耳を傾け、
縷々カルテを記入する『一止』。
それが、以降の『雪乃』のとの関係の一歩であり、
且つ、彼のその後の医師人生を決定付ける、
大きな出会いであった。


『二宮』クンに較べると、演技では劣る『櫻井』クンを主役に据えたことは、
(いくら雰囲気が原作とあっていると言っても)かなりの不安材料だったのだが、
蓋を開けて見ると、以外と良い。

勿論、泣きのシーンでは、下手さが露呈してしまい、
貰い泣きするのは、前述の女性達だけだが、
主人公が愛読する『漱石』の作品から
抜け出した様な主要登場人物の語り口と相まって
却ってぴったりとはまっている。


本作で描かれているのは、
色んな意味での旅立ちと成長なのだが、
注意して観れば、一見関係無さそうなエピソードも
全てその一点を指し示していることが判るだろう。


宣伝の惹句にある様に、「泣ける」作品では無いけれど、
ココロがほわっと暖かくなる、
まずまずの良作である。