RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

第30回損保ジャパン美術財団 選抜奨励展@損保ジャパン東郷青児美術館 2011年4月3日(日)

元々、此処は強い風が吹いている時などは揺れを感じて
壁の傍に行くと、ぎしぎしと軋む音が聞こえ、
落ち着いて鑑賞するには、多少難のある会場。

加えて、昨今の様に余震続きの中では、
何時強力な揺れに見舞われるかもしれず
かなりびくびくものなわけだ。

震災以来、休館が続いて、
再開されたのが、先月29日。
にも拘わらず、会期の延長は無く、
オマケに会場時間も~16:00(入場に至っては、~15:30)と、
観に来られることを拒否しているのでないかと
疑ってしまう。

そのようなこともあってか、
最終日だと言うのに、
会場内はかなりスカスカ。

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計64点の展示の中には、
既知の作家や既見の作品も多いのだが、
それでも
石黒賢一郎』の〔CH-ED04 ふたりでみあげた星〕等に
邂逅すれば、その透徹したリアリズムに再びじっくり見入ってしまう。

『菅野静香』が〔苑〕で「秀作賞」を受賞したのは
嬉しい限りだが、見慣れた描写ではあるものの、
五人の少女の内、表情が判るのは一人だけなのは、
「はて」と首を傾げてしまう。

同じく、「秀作賞」の『蒼野甘夏』は
岩絵で描かれた〔金星に橇滑猿図〕。
橇遊びをする申達が、本当に楽しげで、
ほのぼのとする。

『橋上ゆかり』の〔The people〕は
計21点の淡い筆致で描かれた表情が、
すっきりと眼前に迫って来る。


随分と前にディスカウンターで300円で購入した
入場券(一般の入場料は500円)を無駄にしたくない一心で
やって来たが、比較的素直に見入れる平面作品が多く、
「頑張って、来て良かったぁ」と、心から思えた。