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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

相笠昌義展―日常生活―@損保ジャパン東郷青児美術館 2010年2月7日(日)

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未見の作家であり、勿論、名前を聞くのも初めて。
が、チラシに掲載されている画に、何と無くココロ魅かれるものがあり、
チケットもディスカウントで350円(一般の入場料は500円)で入手できたことだし、
只でさえ強い風がビルの影響で更に激しく吹き荒ぶ中、行って来た。

混雑は基より想定していなかったが、案の定、館内はガラガラ。
でも、〔18歳の自画像〕で始まり、〔70歳の自画像〕で終わる
約60点の作品群は、かなり満足のいくものだった。


スタイルが確立されてからの眼差しは、常にヒトに対して向けられる。
金閣寺】や【銀閣寺】が大きく描かれていても、
あくまでも主題は「それを見るヒト」。

動物園のゴリラやオランウータンが中心に据えられても、
作者の興味は、それを「見物するヒト」に注がれている。

が、其処での群集は、家族と言えども、
損保ジャパン東郷青児美術館大賞」を受賞した〔交差点にて、あるく人〕に描かれるように、
視線が交わることなく、似たような方向を向き、他者として茫漠と存在する。
作者はその中に、スケッチブックを抱え、傍観的な記録者として独り在る。

喧騒は有りそうで聞こえず、ヒトが交わる暖かみも、有る筈なのに感じられない。
ありそうで、意外と無かった表現方法に、虚を衝かれるような思いだ。