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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

東京藝術大学 大学院美術研究科博士審査展@東京藝術大学大学美術館 2010年12月23日(木)

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なんとまぁ、博士課程の最終審査を一般公開するという大胆な催し。
なので、作品と同時に論文も置かれている。
おまけに無料だし、
空いているし、言うこと無し。


で、とっても嬉しかったのが、
『小池真奈美』の〔落語の中で化ける自画像〕。
お題は〔抜け雀〕〔時そば〕〔三枚起請〕〔居残り佐平次〕。
夫々の話の一場面(〔時そば〕は複数枚)に描かれているのは、
(おそらく)全て本人。だって、登場人物の顔が、皆同じなんだもん。
「禿」のカラダに大人の大きさの顔を乗せたりと、
狙った上でのアンバランスさも、又良い。

何よりも、その豊かな表情や仕草がたまらない。
特に〔時そば〕でのそれは、百面相ですか。
おまけに可愛いぞ。

写真と見紛うばかりの確かな描写力の上に成り立つ、
お馬鹿な世界観。
お願い、もっと描いて頂戴。


『レドンド・ボネット・ルーカス』の〔Ludicas〕は
四連の油絵。
一枚は静物。残り三枚は少女が描かれている。
何れも漆黒にの闇の中に、人物だけがぽっと
明るい。『レンブラント』の様だ。

背景は黒漆なので、自ずと人物に視線が集まる。
だぼっとしたセーターを身に纏い、
英知の額と意思の眼に魅了されてしまう。
何かの寓意が込められているのかは判らないけど、
彼女の面立ちだけで、十二分にみせてしまう。


学内の三箇所で開催されているのだが、
時間の関係で【大学美術館】での展示しか観られなかったのは、
返す返すも残念だが。