RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

風が強く吹いている@TOHOシネマズ川崎 2009年11月14日(土)

毎月14日は「TOHOシネマズデイ」で映画が1,000円!
なので、今日はハシゴを決め込んだわけだ。

【SCREEN2】のキャパは147。中は八割程度の入り。
前の方の席以外は、ほぼ埋まっている。

イメージ 1
『しをん』様の小説の映画化だが、原作は未読。


足の故障のため一旦は陸上競技を離れた『ハイジ(小出恵介)』は
ある夢の実現のため、虎視眈々と布石を打っていた。
それは『箱根駅伝』に出場すること。

そして、類稀な長距離ランナー『カケル(林遣都)』を陸上部にスカウト
(多少、騙し討ちのような方法で)したことで、全ての駒が揃う。
夫々に持ち味のある選手が十人集まったのだ。

当面の目標である記録会、そして予選会、最終的には
箱根駅伝』への出場を目指し練習を始める。
天性のランナーである『カケル』を得、無類のリーダーシップを発揮する
『ハイジ』に率いられた彼らは、果たして1月2日にスタートラインに立てるのか。


兎に角、走る映画である。
多分全編の半分以上は走っているのではないか。
しかも、その姿が美しい。
流れる汗が、全く汚く見えない。爽やかささえ感じさせる。

そしてこれは、原作の勝利なのだろう。絶妙な会話。
作者の趣味を反映してのオタクな内容も満載である。
其処彼処で笑いが起きる。

展開自体はありがちなスポ根モノの王道なのだが、
後半のレースのシーンも、各種のエピソードを盛り込み、
最後まで厭きさせないし、手に汗握らせる。
通常この手の作品は、練習の場面は面白いのに、
試合の場面になると陳腐になりがちなのだが、
本作は上手く凌いでいる。

しかし、ただ走るだけの映画なのに、なぜこんなに泣けてしまうんだろう。
スポーツものでこれだけ泣けたのは、〔シムソンズ〕を観て以来かもしれない。

まるっきり男臭い作品ではあるけれど(それは『しをん』様だから・・・・)、
必見の一作と言って良い。