RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

週末はギャラリー巡り@新橋・銀座・京橋界隈編~その② 2009年10月17日(土)

続きである。



前者は〔デューン/砂の惑星〕に出てくる「サンドワーム」のような皮膚感を持つ、
哺乳類ともつかない空想の生き物が、そこかしこに鎮座している。
大きさは、中型犬くらいだろうか。

幾つかの生物のキメラの様な外観。でも陶器ながら、その皮膚の質感も含め、
何と無く有り得そうに思えて来るから不思議だ。「キモカワイイ」って、ゆ~の?

後者は、アンティークのドールハウスを撮影し、引き伸ばしてプリントした布を縫製、
テント大の外観の家に仕立てている。
その周りには、展示室の壁に沿って、袋に詰められ、顔だけが外に飛び出した、数多の人形達。
実物大のモノを、ミニチュアみたいに撮影する最近の流行もあるけど、
これはまるっきりの逆方向。

と、同時に、古いポストカードを表裏とも引き伸ばして(A4程度の大きさかな)布にプリントしたものを
いくつも繋ぎ合わせてタペストリーのようにぶら下げたもの。

何れも、「家族の記憶」といった単語が連想されるのだが。



実は、ここ、今月3日に新装オープンした【ポーラ銀座ビル】の3F。
”アネックス”の名の通り、本展は箱根にある『ポーラ美術館』から、
有名作品を一時的に借りて来て展示している。

これは嬉しい。しかも、無料。会期中は無休ときている。
さほど広くないスペースなので、展示数は二十に満たない。
でもタイトル通り大御所の作品を心置きなく鑑賞できる。
しかも、まだ情報が行き渡っていないのだろう、大した混雑ではないし、
配布されるリーフレットも、手がこんでいる。
箱根なんて、そうそう行ける場所でもないしな。

セレクションも中々宜しく、『フジタ』の〔誕生日〕は
彼の大好きな子供の絵。丸テーブルを囲む十一人のやんちゃそうな子供らと、
少し歳のいった少女のメイドさん。窓の外には、羨ましそうに覗き込む
子等の顔が並ぶ。
独特の乳白色をベースに誕生会を楽しむ様子が、生き生きと伝わってくる。

ピカソ』は二点。特に〔母子像〕が良い。
褐色に近いピンクで描かれた母子は、丁度キューブと丸の中間の様な形で
ざっくりと描かれている。
太く表現された(母親の)腕や子供の手足からは、生命の力強さが伝わってくる。

次の予定は「Blank Space」とか。
そちらも楽しみだな。現代美術だから、空いているだろうし。