RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ゴーギャン展@東京国立近代美術館 2009年9月21日(月)

元々すごい混雑なのに会期末も近づいており、
大変なことになっていると聞いていた。
しかし招待券をもらったからには行かんとな。
時間の都合が中々つかず、会期終了の二日前になってしまった。

できるだけ遅い時間を意識して、14時半の着だが、
入場券購入の長蛇の列。
これじゃあ、何十分も待つよな。

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幸いにも券を所持しているので、さっと入場したものの、
中も大層な混雑。人の頭の間に漸う画が観られる程度。

しかし、『ゴーギャン』。好んで観る画家ではなかったのだが、
今回で考えを改めた。
自分の感性に合うものがかなりある。
時系列に並べられると良く判る。
{印象派}の作品から{ジャポニズム}を意識したもの。

〔《洗濯する女たち、アルル》〕がこんなにいい感じだったとは。
タヒチの作品は特に好きではなかったのだが、
〔《ファア・イヘ・イヘ(タヒチの田園)》〕は、
一部意識的に意匠化されており、{ラファエル前派}を彷彿とさせる
描写もあるし。

とは言うものの点数も少ないこともあり、行きつ戻りつしても
数十分の滞在時間。
これは、最早、画を鑑賞する環境じゃあないわな。


しかし、ここは、近・現代の常設展が充実。
上野にも匹敵するから。
結局、4階~2階の鑑賞に、二時間近くを費やしてしまった。

藤田嗣治』が二点。
〔パリ風景〕は灰色で寂寥感が漂う。
三十歳の彼の目には、このように映ったのだろうか。
〔血戦ガダルカナル〕。描き込まれた年月は2604年。
皇紀だからな。
画面いっぱいの戦士達は、敵・味方も判然としない。
ほぼ単一の茶系で描かれ、あたかも一つの生き物のように
混然としてそこに在る。これも、どんな気持ちで描いたのだろう。

それ以外にも美術の教科書に出てくるような、有名作がてんこ盛り。
やはり、企画展が無くても、観に行く価値のある場所だな。