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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

牧島如鳩展 -神と仏の場所-@三鷹市美術ギャラリー 2009年8月15日(土)

三鷹市美術ギャラリー】は【JR三鷹駅】南口に出れば、
目の前の【コラル(所謂、ショピングセンター)】の5階。

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入場料は一般600円だが、”ぐるっとパス”を利用。

展覧会の概要はこちらを参照頂くとして、
ざっと感想などを。


会場内では、延々と聖歌が流されているのだが、はっきり言ってウザイ。
静かに鑑賞したい人も居るわけだし、押し付けは迷惑。
ましてや、聖画以外に、仏画だって展示されてるんだから。

とは言うもの、観ているうちに、西洋と東洋/聖画と仏画の境界が
判然としなくなってくるのは事実。
絹本の上に油彩で〔聖母子像〕を、キャンパスに油彩で〔涅槃図〕を描いたり、
手法もそうだが、描かれている中身も、彼我の差が曖昧な造形。
〔慈母観音像〕から抱かれている”幼子”だけ抜き出して、
「キリスト生誕です」と解説されたら「うん、そうだよね」と肯いてしまう
バタ臭いタッチ。

おまけに、〔三聖図〕と題された作品では、「キリスト」と「釈迦」が仲良く
語らっており、これですか?と、
一瞬思ってしまった。

油彩で大画面に描き込まれた作品よりも、絹本に岩絵で描かれた、
〔観音像〕〔魚藍観音像〕の方が、描き込みは細かいが、すっきりしていて、好ましい。

水墨でも〔達磨図〕のざっくりとした衣の描き方(細かく描き込まれている顔の部分は、
あまり良くない)、
〔ぶっぽうそう〕の梟が止まっている枝ぶりや、〔富嶽図〕の稜線を極太にひいた、
大胆な描写の方が良いな。

解説プレートを見ると、各寺社から借りたり、共同施設に展示されているものを
一時外して来ている作品も多いようだ。
実は、他の場所でも、意外とそれとは知らずに目にしているのかもしれない。