RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

複製された男@チネチッタ川崎 2014年7月23日(水)

封切り一週目。
席数244の【CINE7】の入りは六割程度。

レイティングが「R15+」だけあって
客層はやや高齢に振れているが
カップル率高し。

イメージ 1


世の中には、自分に似ている人間が三人は居る
と言う。

たまたま、当人を見つけてしまった時に
人々はどのような行動を取るのだろうか。


もう一方、
西洋には「ドッペルゲンガー」という言葉もあり
それを見た者は程無く死を迎えるという
恐ろしい言い伝えもある。


トロントの大学で歴史学を教える
『アダム(ジェイク・ギレンホール)』は、たまたま同僚に勧められた映画を観ている時に
自分に瓜二つな俳優が出演していることに気が付く。

どうにも気になって仕方がない『アダム』は、
そのチョイ役の俳優『アンソニージェイク・ギレンホール、二役)』の身元を割り出し、
接近を試みる。

その結果、何が起こるのか。


『アダム』は世間的には信用のある職業につき、
若く美しい恋人もいる。

しかし、その両方に倦怠感を覚え始めているのも事実で、
映画は冒頭、その間の事情を静かに、しかし不穏な眼差しで描き出す。


何時、何が起こるか予測もつかない剣呑な雰囲気を孕みながら、
映画は粛々と進行する。

心地良くはないものの、映画の語り口に身を委ねていると、
最後はとんでもない場所に連れて行かれ、
ぽ~んと放り出されてしまい、呆気に取られる作品も確かに有る。

本作はそれに近しいのだが、
作者が仕掛けた謎を前に、暫し沈思黙考してしまう。


ただ、よくよく見ていれば、似ているのは主人公達だけではないのだ。
『アダム』の恋人とか、『アンソニー』の妻とか。
都度都度出て来るガードマンにしても雰囲気は相似だし。

完璧に一緒ではなく、僅かな相違はあるのだが、
それを真に受けて良いものかどうか。
三者が居る時に、二人が揃うシーンは
一つとしてないのだから。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。

監督の『ドゥニ・ビルヌーブ』は
2011年の〔灼熱の魂〕
今年の〔プリズナーズ〕
と、何れも日本公開作に外れ無し。