RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ@TOHOシネマズシャンテ 2014年1月1日(水)

2014年の文化活動第一弾は標題作。

封切り二週目で席数190の【CHANTER-3】は七割程度の入り。
同館で上映されている他の作品が当日何れもSOLDなのに比して
少々寂しい。

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時は現代。
デトロイトとタンジェに離れて暮らす
『アダム(トム・ヒドルストン)』と『イヴ(ティルダ・スウィントン)』は
恋人同士だが、幾世紀を経てなお生命を持つ吸血鬼。

物語は、イマに生きる、彼等を含めて四人の吸血鬼達の、
圧倒的な孤独を描き出す。


プロローグとして、彼らがイマという時代を
どのように生きているのかが、
要領良く描かれる。

空気も水も汚染され、
それを摂取する人間の体も同様。
吸血鬼達にとっては、
汚れた血を体に入れることは
自分の命にかかわる。

ため、良質の血液を入手するために
彼等は奔走する。

嘗てのように、人から直に吸っても、
バレなかった時代とは異なり、
警察力の発達したこの時代では、
ちょっとのコトからアシが付ついてしまう。


物語りは
『アダム』の元を『イヴ』が訪れ、
更には彼女の妹『エヴァ(ミア・ワシコウスカ)』が
突然にやって来たことから動き出す。


とは言っても、これは基本的に吸血鬼の映画。
彼等を縛るベーシックな骨法-昼間は動けない-は厳然として生きており、
それが行動の幅を狭めると共に、
逆にコミユニケーションと交通網の発達した現代においては、
長距離の移動も可能になる。

その間隙を縫って生きる姿は、
ある意味微笑ましい。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。

最初から最後までスタイリッシュな映像は変わらない。
とは言うものの、本作の実質は喜劇ではないのか。

先に挙げた、血液を入手する経緯を描くシークエンスは
かなり笑える(でも場内は、咳の音一つしないんだが・・・・)。
それなりのギャグも散りばめてあるし。

表面的な顔と、裏の表情を持つ主人公達の二面性は
本編の核を成すものでもあるけれど、
悲劇と喜劇の二面性をもやはり体現しているのだろう。

ラストのシーンはその最たるもので、
海外の客の反応はどんなだっただろうと慮ったりもする。