RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

横道世之介@チネチッタ川崎 2013年2月23日(土)

本日が封切り初日。
客層は老若男女幅広い。

が、席数290の【CINE4】の入りは
四割程度と少々寂しい。

しかし、映画としての出来は頗る良く、
多くの人に足を運んで貰いたい一作。

観終われば、ココロが、
ほのぼのとすること
請け合い。

イメージ 1


1987年、長崎から一人の男が上京、
法政大学に入学する。

彼の名は『横道世之介高良健吾)』。

そのインパクトのある名前と共に
図々しさの中に、お人好しが同居する性格から、
周囲の人達には好かれる。

映画は、そんな『世之介』の大学最初の一年を
暖かい眼差しで描き出す。


朝倉かすみ』の〔田村はまだか〕を
思い出した。

小学校の同窓会の三次会で、
来場が遅れている『田村』を待ちながら
印象深く思い出に残っている人達や、
『田村』についての話題に延々と花を咲かせる
感動作。


本作では、『世之介』が触れ合った人達と
往時のエピソードの数々が先ず語られ、
十六年経った現在、
ふと記憶に上った『世之介』の事を彼等が
懐かしく思い起こすシーンが都度挿入され、
繰り返される。

それらは全てが、
楽しさや可笑しみを伴い、
積み重なることで、
我々すら『世之介』に対して、
シンパシーを感じて行く。


監督は、時に俯瞰を、時に長廻しを、
時に移動撮影を使い、映画らしい画面構成に心を砕く。

バブル全盛期の街の様子や当時の風俗が
きっちりと描写・再現できていることにも感心。

科白の出来と、役者達の芝居の兼ね合わせも上々で、
場内は哄笑がしばしば起きる。

主演の『高良健吾』が嵌っているのは当然としても
浮世離れした成金の娘『与謝野祥子』を演じた『吉高由里子』が
素晴し過ぎで、もう、萌え~~~っ。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。

ああ、観に来て良かったと
ホントにそう思える一作。