RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

カルテット!人生のオペラハウス@TOHOシネマズ川崎 2013年5月1日(水)

席数112の【SCREEN8】は
満員。
一部劇場では、4/19の封切りだから
二週間を過ぎてのこの盛況は大したもの。

客層は高齢の女性が複数人で連れ立つ姿が
圧倒的に多い。

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(英国の)郊外にある老人ホーム。
そこは引退した音楽家達が、静かに余生を過ごす場所。
広大な敷地に瀟洒な建物。内装にも凝っている。

ただ、彼等の昔の職業柄、
日々の生活は今でも音楽に満ちている。


しかし、
恒例のガラの開催を間近に控え、
居住者達は例年よりも更に熱くなっている。

何故ならここでしっかり稼がないと、
安住の地であるホームの存続が不可能になるかもしれないから。

そして、そのために必要な目玉が
どうにも欠けていることに頭を悩ます執行委員たち。


そんな折、嘗てのオペラスター『ジーン(マギー・スミス )』が入居する。
これで、かなりロートルではあるものの、
英国のオペラスター四人が一堂に会し、
素晴らしい「カルテット」を奏でられる可能性が出てきた。

色めき立つ入居者達。

が、ことは、そう簡単には行かない大きな問題が有った。


ダスティン・ホフマン』の監督デビュー作。そう言えば、
『レッドフォード』の第一作〔普通の人々〕も
原作アリの極めて小品だった。

本作も、元は舞台劇。
登場人物は多く、
エンドロールではちょっとした配役の人達が
実際は有名な音楽家であることが明かされ、
その点では豪華なのだが、
舞台となるホームからカメラはほぼ出ることは無く、
一種、軽いコメディ作品。


しかし、そこはそれ、俳優歴の長い人だから
かなり手際よく撮りあげている。

楽曲を上手く扱いながら、
時に下品な会話や振る舞いを存分に配し、
老いの悲しみと、それよって生まれる達観を
諧謔味たっぷりに描き、
観ていて楽しい佳作に仕上がっている。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。

でも、実際の舞台は、
もっと哄笑が溢れる内容だったんじゃあないか?

初めての監督作品では大胆になりきれなかったのでは
と、思ったりもする。