RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ルームメイト@品川プリンスシネマ 2013年11月16日(土)

封切り二週目。

席数96の【シネマ10】は三割程度の入りと
かなり寂しい。

客層は、カップルと女性の二人連れ
(何れも若年)が圧倒的に多い。

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交通事故に遭った派遣社員の『春海(北川景子)』は
搬送先の病院で看護師の『麗子(深田恭子)』と出会い、
退院と共に共同生活(ルームシェア)をする様になる。

最初は親身になって世話を焼いてくれていた『麗子』だったが、
次第に不可解な言動をとるようになり、
加えて薄気味の悪い出来事も頻発する。


知っている観客であれば、最初のエピソードの時点で「ははぁ、アレか」と
思い至るだろう。

で、筋が判った様な気になり、舐めた気分で観続けていると、
終盤に近付くに連れ、手酷い竹箆返しを喰らうことになる。


やがて『春海』は事故の加害者である『工藤謙介(高良健吾)』と
交流を持つようになる。

『麗子』の奇妙な行動について相談する『春海』だったが、
そこにある事件が起きる。


いや~、綺麗に一本取られてしまった。
思い返せば、
映画ならではの似たような手法を活用した作品は類例もあり、
加えて幾つかのパーツは判り易く眼前に開示されていたのに
それを一連のもとして、繋ぎ合わせることができなかった。

前述の様に、類似のアイディアは多々あるのだが
それを複数組み合わせ、上手く纏めた点が斬新。

正直、かなりラスト近くになるまで、
事件の全容が理解できず混乱してしまった。

「PG12」である理由は、残虐なシーンがあるからではなく、
扱っている主題が、今日的なことから来ている様だ。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。

独特の色褪せた色調は、最初
「なんかテレビの二時間ドラマみたいで
チープじゃね」と思っていたが、
それすらも観客を引っ掛ける為の装置として機能している。

多分、映画を観込んでいる人ほど、本を読んでいる人ほど、
作り手の術中に嵌ってしまう。
舐めて掛かると、(嬉しい)痛い目にあう、
通好みの一作。