RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

任侠ヘルパー@109シネマズ川崎 2012年11月25日(日)

封切り二週目に突入している。

席数121の【シアター5】は、八割方埋まっている。
客層は若干高齢に振れたカップルが多いのだが、
小学生らしい団体が二組も入っているのは
何の理由だろうか。

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いいね。
『剛』クンがもの凄くイイ。
アップに耐えられる顔になった。
冒頭の、カタギじゃあない強面を感じさせるものから
ふとした瞬間に優しさを感じさせるものまで、
真正面から撮られても
微妙な表情の変化で十分に芝居している。

なので、本作は、彼の存在無しには
存在しえなかったろうほど、
役にぴたりと嵌まっている。


老人のコンビニ強盗を、
憐憫から見逃したことで
『翼彦一(草彅剛)』は刑務所に収監される。

出所後に、
獄中で再会した件の強盗犯『蔦井雄三(堺正章)』からの言づてで,
嘗て『蔦井』が幹部を勤めていた地方の組織を訪れた『彦一』に紹介されたのは、
老人相手の闇金融
返済が滞った彼らを
養老施設とは名ばかりのあばら屋に閉じ込め、
年金を搾取するシノギだった。

最初でこそ淡々とビジネスライクに勤めていた『彦一』だが、
やがて、老人達の惨状に、持ち前の義侠心が爆発する。


ここでのヤクザ組織は現代らしく
相当ビジネスビジネスしている。

が、流れ自体は『健さん』由来の
正統的な任侠モノ。
悪辣な組に怒りが爆発しての殴り込みや、
それを助ける女性や周辺人物の存在、とか。

劇中、「ヤクザ映画の見すぎだろう」という科白があるが、
確かに、懐かしい「東映」作品と
現代の問題が
上手く折衷された脚本に仕上がり、
新・旧を取り混ぜた構成が抜群に効いている。


遺棄されてしまう老人、閉塞している地方都市
等のカレントな問題を盛り込みながら
極上の一作に仕上がっている。