RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

中学生円山@チネチッタ川崎 2013年5月23日(木)

封切り5日目。

今、〔あまちゃん〕でノリにノッテいる、
クドカン』の監督・脚本作品。

しかし、この人の映画は、実に当たり外れが激しい。
アタリ:〔GO〕〔ピンポン〕〔少年メリケンサック
ハズレ:〔真夜中の弥次さん喜多さん〕〔カムイ外伝〕〔鈍獣
みたいな?

席数488と大き目の【CINE 12】は二割程度の入りと
かなり寂しい。
客層はこれだけ、人数が少ないと
逆にまんべんなくなるのは面白い。


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江戸川区の大規模団地に両親と妹と住む中学生の『円山克也(平岡拓真)』は
思春期の男子であれば大抵が(一度は)挑んだことがある
しょ~もないことを実現するために日々努力している。

そしてこれも、思春期にはありがちな妄想が広がり、
最近では、一階上に子連れで越してきた男『下井(草彅剛)』が
腕っこきの暗殺者に違いないと思い込んでいる。

映画はそんな『丸山』のかなり厭きれた日常生活が描かれる。
同級生で同じ棟に住む『清水ゆず香(刈谷友衣子)』との切ないふれ合い、
両親や妹との日々の暮らし
そしてひょんなコトから交流を持つことになった件のオトコとの係わり。
それらが、何れも妄想をベースに展開され、コレが滅法面白い。

更に、
母『ミズキ(坂井真紀)』の韓流ドラマへの傾倒と、
それが故に起こる騒動。
妹もマセタ友達に触発され、カレシを作る挙に出るのだが、
その相手が頗る付きのクセモノ。
そう言ったエピソードも、一見脈絡なく挟み込まれる。


コレだけハナシの幅を広げておいて、どう纏めるんだろうと心配していると、
最後は鮮やかな、そしてほのぼのとする幕切れ。
クドカン』の面目躍如とも言うべき、脚本の冴え。


最初はそれとはわからなかったが
徘徊老人を演じた『エンケン』、
その豹変ぶりと存在感は素晴らしい。

それと『刈谷友衣子』。
実年齢に近い役柄に、
初々しさを含め、見事にハマッテいる。

隣人に対して無関心で、、
進んで関係を持とうとしない団地特有の黒い危うさも背景に取り込み、
一片の社会風刺の側面も持ち合わせている。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。

大人の男性にこそ、胸をきゅんきゅんさせながら
観てもらいたい。