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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

第20回奨学生美術展@佐藤美術館 2011年11月3日(木)

二十回目を数える“奨学生美術展”。
しかし来場者は、自分以外には一人だけと、
淋しい限り。
つくづく勿体無いものだと思う。
しかし、環境も含めて、なかなか「ハレ」の場には
成れないということか。

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招待作家二名、特別展示一名、
それ以外の出展作家は十六名。
二十点強の展示だが、
幾つか気になる作品が・・・・。

先ずは
『友清大介』の〔Night room〕。
画学生の部屋だろうか、
薄暗い中に屹立する短い髪の女性が独り。
こちらをひたと見据えている。
いいなぁ。
この面立ちといい、力強い眼差しといい。
技量とか斬新さではなく、このシュチエーションを含めて
世界感がもの凄く好み。


次いで
『薄久保香』の〔stop and motion〕。
招待作家ではあるものの、
これも、その情景が好き。
細密に描かれた椅子に座る女性は、
短いスカート、玩具の様な花を手に持ち、
何かを気にしているふう。
しかし、その表情は、
白髪に覆われ、窺う術も無い。

加藤寛史』の〔器物〕。
マグリット』風ではある。
海を背景に、非日常な世界。
中央には木目も美しい大きな椅子。
しかし、その上には四肢無い人形が独り。
その顔立ちだけが妙に艶めかしい。

『岩渕華林』はシルクスクリーンが二点。
中でも〔蛹化〕。
後ろを向いている女性は、
髪を幾つかのカーラーを巻き、
ゴムで三つ編みに束ねている。
しかし、それらを解き放った時に、
彼女は美しく変容するのだろう。


今回は、そのストーリーを感じさせる
作品に妙に共感してしまった。