RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

神様のカルテ2@109シネマズ木場 2014年4月10日(木)

封切り四週目に突入。
席数89の【シアター4】の入りは十人ちょっと。
ま、平日の昼下がりだから、こんなものだろう。

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365日休まない・24時間眠らない。
そのキャッチを屋上のネオンサインに掲げる『本庄病院』。

今夜も当直医の『栗原一止(櫻井翔)』は
抜群の引きの良さを発揮し
急患がひきも切らない。

映画はこのあたりの事情をテンポ良く描き出しはするのだが、
如何せんマスクに隠れており、
名前と顔が一致しないのは難点か。

前作で予習してあることが前提にみえ
やや不親切な造り。


翌日のスタッフミーティングの席で『一止』は
思いがけない顔を見かける。

それは同じ医大を首席で卒業し、
東京の病院に勤めているはずの『進藤辰也(藤原竜也)』。
彼は血液系の専門医として戻って来たのだった。

「医療現場の底辺へようこそ」と迎える『一止』。しかし、
定時に来、定時に帰り、
夜間は電話連絡も取れない『進藤』の勤務態度に
スタッフの不満は次第につのって行く。

そんな折、
『一止』が尊敬する消化器内科部長の『貫田誠太郎(柄本明 )』が
病院内で倒れているところを発見される。


『一止』が『進藤』との久々の邂逅時に掛けた言葉、
「医療現場の底辺へようこそ」
が、本作の通底するテーマとなっている。

もう一つは、家族の愛情のカタチで、
それは三種の有り様が描かれるのだが、
何れにしろ先のテーマを基にした上でのこと。


「医療現場の底辺」の表現は、勿論、
患者にとってのことではない。

患者に寄り添おうとすればするほど、
医者をはじめとするスタッフにしわ寄せが来る。

二十年ほど前には頻繁に救急外来にお世話になった身にすれば
確かに、この事情は理解できる。

診察に出てきたお医者さんの髪の毛はばさばさで、
寝起き感が満載(今は違うかもしれないが)、
『櫻井』クンの爽やかさは欠片も無い。
それでも、雰囲気は上手く再現できていると思う。


一方で、病院は営利団体でもあり、
利潤の追求が求められる。
倒産すれば、地域にも影響が波及するわけで・・・・。


本作はこのあたりの事情を
夫婦の係り方に絡め、声高に言い募るのではなく、
ややほんわりとしたテイストで
しかしココロに沁みるように描写している。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。

前作と、監督・脚本が同じなのが功を奏した。
医療の在り方に正解は無いけれど、
少なくとも同じトーンで続編を作れたのは
スタッフの手柄だろう。

原作を読み込んでいる人によると
「1」より「2」の方が面白かった」とのことで
このままで行けば「3」できちゃうかな。