RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

第11回 伝統からの創造 21世紀展@東京美術倶楽部 2011年5月28日(土)

イメージ 1


東京では同所で「4月展」「5月展」と二度開催されるが
展示作品は同じ。

4階では絵画が、日・洋あわせて106点、
3階では工芸が、40点と、
無料の展覧会でありながら
かなりの量のラインナップ。

当日は生憎の雨天にも拘わらず、
最終日ということもあるのだろうか、
嘗て無いほどの人の入り
(ま、そうは言っても、全然余裕で
鑑賞できるんだけどね)。


当然のことだけど、どの作品もクオリティが高いので、
随時歩を留めていると、
どんなに時間があっても足りやぁしない。

そんな中でも、日本画では、
『北田克己』の〔春の天花
『河嶋淳司』の〔猫〕
『青山亘幹』の〔出を待つ〕
西野陽一』の〔ラグビー発端〕
といった作品には、魅入ってしまう。

洋画では
『谷川泰宏』の〔金龍の不二〕が
デザイン化された富士と龍が雲のまにまに、
大胆に省略された描写で、素晴しい。

『前田さつき』の〔怪し火/階段下の秘密事〕。
タイトル通りのイラストチックな舞妓さんの描写は、
淫靡な物語が裏に隠されている雰囲気と、
主人公達のコケティッシュな表情がタマラナイ。

スーパーリアルな描写の部では、
塩谷亮』の〔皐月〕で描かれている
異人さんの肌の透き通る様な白さに加え、
その金髪の柔かそうな質感は、
手を伸ばせば触れられそうに
ふうわりとしている。

『島村信之』の〔藍〕は
天空の城ラピュタ〕で「浮遊石」を身に付けて
空からゆっくりと落ちて来た
『シータ』の、あのシーンを彷彿とさせるような
独特の浮遊感にうっとりする。

そして、
石黒賢一郎』の〔真○○・マ○・イ○○○○○○〕。
例によって、右隅には、基ネタとなったアニメのワンシーンの
シールが貼付している。
タイトルの○○は勿論、伏字。
実際には『真希波・マリ・イラストリアス 』(〔EVA〕ね)。
オタクココロを擽りながら、
肩透かしをするように、
描かれている女性は少々ぶちゃいく。
それでも、
ざっくりと描かれた背景と比して、
女性の圧倒的な再現力は凄まじい。


ああ、今回も来て良かった。


4階の出口付近には、
入札箱が作品数だけ設置してある。

独特の形状、毛筆で書かれた
識別するための札も含め、
いやいや、興味深く拝見した。
ただ、入札は会員だけだけどね。