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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

9回裏無死1塁でバントはするな:鳥越規央~読了

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「同点で迎えた9回の裏、
ノーアウトのランナーが四球で出ました。
サヨナラを狙って、セオリー通り、
送りバントでランナーを二塁に進めます」

野球放送でよく聞くフレーズだが、
ここでの「セオリー」は「理論」ではなく、
「暗黙の了解」とか「常道」の意味で
使われている様だ。

作者はこういった、所謂「セオリー」に
真っ向から異を唱える。

曰く、「それは本当に勝ち筋なのか?」
サブタイトルにある「野球解説は“ウソ”だらけ」
の所以である。


春の甲子園」を見ていると、
一点リードの場面で追加点のために、
・ワンアウト一塁で送りバント。ランナーを二塁に進める
・ノーアウト、ランナー二塁でヒットエンドラン
なるシュチュエーションがやたら多い。
この本的には、”やってはいけないこと”の部類になるのだろう。

具体的な塁上の状況を設定し、
都度とられる作戦が
最終的な勝利へ、どの程度寄与しているかを
確率的に算出する語り口は、
具体的にイメージし易いし、
興味も持ちやすい。


基本的には統計学だし、
以前から語られている内容ではある。

ペナントの開幕を睨んで、類書も出版されているようで、
その意味ではタイムリーだ。

ただ、作戦の賛否が、
最終的な勝利への寄与率だけで判定されているのは
どうかな?