RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ジーン・ワルツ@109シネマズ川崎 2011年2月10日(木)

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席数121の【シアター5】の入りは四割程度。
思ったより少ないぁ。
〔バチスタ〕に代表される
海堂尊』レーベルにしては物足りない埋まり具合。
客層は、女性の比率が高目か。


同作家の映画化作品は全て観ており、
〔バチスタ〕シリーズはかなり高レベルと
個人的には認識。
一方、原作はまるっきり読んでいない。


『帝華大学』の医師『三枝(大森南朋 )』は
帝王切開の手術中に癒着胎盤が判明した妊婦を死なせてしまう。
医療過誤では無いものの、検察は彼を逮捕する。

同僚の『曾根崎理恵(菅野美穂 )』は民間の『マリアクリニック』を
定期的に訪れ、四人の妊婦を診察している。
当該クリニックは『三枝』の母親である『茉莉亜(浅丘ルリ子)』が
院長を務めていたのだが肺癌を患い、余命幾許も無い。
あと、数ヶ月で閉鎖予定のクリニックに通う妊婦達は
夫々が事情を抱えているようだ。

准教授の『清川吾郎(田辺誠一) 』は『理恵』への愛情と、
自分が教授になることで実行できる学内の構造改革のための
出世の板ばさみとなりながら、
彼女とは付かず離れずの関係を保っている。

彼ら四人は『マリアクリニック』を仲立ちとして
嘗ては良好な関係にあったようだ。

物語は、四人の医者と、四人の妊婦の関係を描きつつ
(当然のことながら)出産の場面に突き進む。


「医療裁判」や「代理母出産」と言った社会的事象を扱いながら、
問題提起に生々しさが無く、社会派としては浅薄。

一方、キャッチにある「計画(プラン)」や「禁断の・・・・」の内容も
あっさり判ってしまい、ミステリーとしての興味も半減。

出産シーンでの障害の連鎖と、起きる奇跡も
別の映画で似た様な描写があり既視感満載。

要は、中途半端な、継ぎ接ぎだらけの、鵺の様な作品。
『理恵』が”やったこと”が全て判ってしまうと
(また、これが、映画の前半で、あっさりと、だもんなぁ)、
興味は全て、子供が無事に生まれるのか?
に向かうのだが、それがこれじゃあ、あまりに酷い。

映画化をしたことによる翻案の捩れかと、
原作を読んだ人に確認すると、ほぼ同内容のプロットとのことで、
これは、元からダメな作品であったことが判明。

あと五年早ければ、かなり唸っていただろうが、
現時点では映画化したこと自体が間違い。
今年観た中では、ぶっちぎりの失敗作。

あ、原作者がカメオ出演してます。