RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

奇想の王国 だまし絵展@Bunkamuraザ・ミュージアム 2009年7月30日(木)

夏休みは美術鑑賞の宿題が出る。
学生は無料の展覧会や美術館が多いからな(本展は有料。念のため)。

正規入場料1,400円だが、ディスカウントで1,250円で購入済のチケットを
いつ使おうかと考えていたのだが・・・・。
上記の価格を勘案すれば、人気物件だとわかるし、何と無く楽しそうだから、
宿題をこなすにも絶好だろう。
従い、混んでいることを覚悟の上で行ったわけだ。

開場と同時に入館。恐れていたほどの混雑ではなく、
奥の方に入ってしまえば、さほどフラストレーションをためずに
観られる程度の人の多さ。
確かに、宿題シートを抱え、メモを取りながら観覧している学生は多かった。


個人的に大きく分類すると、
①19世紀までの洋画
日本画
③20世紀の洋画
④現代美術

特に①と②の比較が面白い。
洋画はキャンバスがベース。なので背景の木目も含めていかに(スーパー)リアルに描くか、
に注力されている。
一方、日本画の主力は掛け軸。
画面からはみ出させたり、異なる要素を描き込んだりの工夫がされている。

河鍋暁斎』の〔幽霊図〕。
掛け軸の中にもう一幅の掛け軸が描かれ、その中から幽霊が抜け出している趣向。
江戸時代の暗い灯火で、床の間にこれが掛かっていたら、本当に怖いと思う。
表装も手描きで、凝っている。

{20世紀の洋画}〕では、『ダリ』『エッシャー』『マグリット』の代表作が
押さえられている。

{現代美術}では『本城直季』の〔small planet〕シリーズ。
現実の街を映しているのに(【船の科学館】の流れるプールとか、渋谷のスクランブルとか)、
ミニチュアの様に見える。
特に、『パトリック・ヒューズ』の〔水の都〕は素晴しい。
3Dの様に飛び出し、移動するにつれ画面が動いて見えるのだ。
角度を付けて見れば種明かしは簡単だが、正直吃驚する。

計140点弱の展示は、”騙し絵”というより”リアル”を感じさせるものが
殆んどだが、先に挙げたものを含め錯覚を利用した描写は、成る程、興味深い。