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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

医学と芸術展:生命(いのち)と愛の未来を探る@森美術館 2010年2月6日(土)

何と無く、縁遠い場所であった。
六本木は比較的良く行くし、企画も面白いんだけど・・・・。

高所にあることも理由の一つ。高い所は、好きでは無い。
42階の【損保ジャパン】に行くのもかなり勇気がいるのに、
更に10階も高層である。

入場料が高目なのも、もう一つの理由。
本展も一般1,500円(ディスカウントで680円で購入できたのはラッキーだった)。

そして、お洒落な場としてのあり方。以前のファッショナブルなシネマは、
今どうなっているか?


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それはさて置き、”医学と芸術展”である。

高速で登るエレベーターで、耳を痛くしながら辿り着いたのは、
白く清潔な、かなり広い空間。

しかし、場内は(事前の情報通り)中々の混雑。
しかも、黒い格好をした人が多い。館内の配色とは対照的。


大きく三つに分けられ、古今東西が(一見)雑多に混ざった、
なんとも不思議な内容。

例えば、『大隈重信』の義足の横には『蜷川実花』がデザインした
絢爛な義足。

円山応挙』の墨絵、〔波上白骨座禅図〕や
河鍋暁斎』の〔骸骨図〕があったかと思えば、
『やなぎみわ』の〔The three fales〕があり。

あの『磯江毅』の作品まで、さり気なく展示されている
(あまり、足を止める人は居ないけど)。
何人の人が、これが架けられている意味が判るのだろう?

実年齢のアメリカンヒーロー(『スーパーマン』とか)を実存として見せる
『ジル・バルビエ』の〔老人ホーム〕や、
年老いた外見の少年が携帯ゲームに興じる『パトリシア・ピッチニーニ』の〔ゲーム・ボーイズ・アドヴァンス〕
ありで、意表を衝いた展示というか、なんとも小手先が効いている。
黒田清輝』の『レンブラント』の模写まで展示してある。

当然のことながらの昔の手術道具や義手、レントゲンといった骨太なものも、
きちっと抑えられており、見応えは十分だ。


が、本展一番の収穫は『松井冬子』
今まで知らずにいたなんて、返す返すも口惜しい。
退廃と妖気が潜む大作の日本画は、も~、全く、好み!!
この一点だけでも、足を震わせながら、高所に登った甲斐があった。


しかし、3階のチケットカウンターで、招待券を当日券に替えてもらう
「儀式」は何とかならんもんかね。
面倒臭い上に、人が更に滞留するじゃん。何れにしろ、
エレベーター待ちでも、並ぶんだけどさ。