ちょっとした臨時収入があったので、
普段より少しだけ贅沢をしようとのハナシに。
標題店はビルの【B1F】。
エレベーターか階段でないとたどり着けないのは少々不便。
店内は個室で社用族が多そうな印象。
和食と寿司を選択できるのはユニークなシステム。
一週間ほど前に「蟹鰻コース」を予約。
値段は15,000円(税込)も
これ以外にサービス料が10%掛かる。
お酒の値付けも当然お高め。
「プレモル」の小瓶が770円だから
市価の三倍か(しつこいが、これにもサービス料が掛かる)。
次いで和食に合わせて日本酒を。
「鶴齢」「上善元」「一白水成」と何れも冷やで飲み継ぐ。
さて料理は、
《前菜四種》
・青菜/厚揚げ/飛子
・若布/湯引き/紅葉卸
・海老の塩麹漬け
・モッツァレラチーズ/鯛の塩辛
あっさりとした流れの中に
チーズと塩辛の組み合わせが転調。
まったりさとコクのある鹹さの組み合わせがとりわけ美味。
《季節のお造り二種》
鰤と蛸。
脂の乗った鰤はたっぷりと切り出され、
一口では食べられないほどの大きさ。
旬の味を堪能する。
烏賊もややねっとりとした歯触りが
逆に心地好い。
《季節の逸品》
毛蟹とフルーツトマト。
蟹を食べている時に無口になるのは、
身を取り出す手間と口に入れることを交互にせねばならぬからだが、
こうして予め身を解してあっても、やはり無口になってしまう。
それほど蟹の味は濃厚。量も多い。
それを補強するのが掛けられているジュレの旨味で、
甘味が勝ったトマトに漬けて食べても当然至福。
甲殻の下に敷かれた海藻麺も
ジュレを混ぜて綺麗に平らげる。
《鰻白焼き》
皮目はぱりぱり、身はほっこり。
一切れがトランプ大ほどもあり
厚みもあるので食べでがある。
《お凌ぎ握り》
具材の下に置かれているのは
赤酢のシャリなので、確かに握りといえばそうだが・・・・。
匙のような器に、イクラ/蟹/雲丹と三種が盛られ、
具だけを摘まめば酒が進んで困るほど。
《茶碗蒸し》
三つ葉/蟹/バラ海苔がトッピングされ
その下には滑らかな口当たりの卵液。
熱々も酢はたってはおらず、
注意深く調理されているのが良く判る。
とは言えあまりに熱々で
舌を火傷しそうに(笑)。
《国産ミニ鰻重》《留椀》
「ミニ」と書かれていても
ちっとも小さくはない。
とりわけ鰻の大きさは特筆もの。
身もふっくら、脂の乗りも上々。
ご飯も多目で、それに比してタレが少ないのが
やや不満なくらい。
椀は赤出汁。味噌と出汁の味がきりっと効いている。
酸味のある柴漬けと、軽い甘味のべったら漬けは
口の中をさっぱりとさせてくれる。
《甘味》
黄粉のプリン。
やや硬めを一匙掬って口に入れれば、
おお!黄粉だぁ、と
理解できる食感と味。
こうしてプリンに仕立てるのはアイデァ。
添えてある苺も甘く美味しい。
こうしたコースだてではしばしば感じる量の不満も皆無で
お腹もかなり膨れる。
払いの方は4万円と、
事前の想定通り。
旬の素材とその良さを引き出す調理には満足をした。