RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

龍圓@浅草:中国料理

ちょっとした所縁で
複数人で卓を囲む。

予約された標題店は【国際通り】沿い。


ファザードは普通の中華屋さんのように見えるが、
大皿ではなく個別に供されるコースのみだという。


最初はビールで。あとは
紹興酒をひたすら呑みまくる。

そして繰り出される料理の数々に
唸ってしまうことしきり。


ピータン豆腐 キャビア

う~ん、これで{中華}?

エスプーマ状の白色の上に緑のシブレットが鮮やか。

一匙掬えば間違いなく豆腐の味と僅かに粒子を感じつつ滑らかな舌触り。
そして微かに皮蛋の風味。

グラスの底にはキャビアも仕込まれ塩分も旨味もプラス。
なんともリッチな前菜。


《魚介類と、モッツァレラチーズの老酒漬け》

烏賊は一夜干しのような歯ざわり。

チーズの老酒漬けは、
そこまで酒は強くなく、
軽い香りが却ってチーズの味をブースト。


よだれ鶏

これでか!と驚嘆する一皿。

鶏は低温調理でしっとり。
数ミリ厚に切り出され、すいっと歯が通る。

掛かっているソースは
間違いなく中華の、よだれ鶏のそれ。
ピリ辛でほんのり甘味。


《寒玉キャベツ春巻き 唐墨》

熱々で、迂闊に口に入れて火傷しそうに(笑)。
軟らかいキャベツはしかしかりっとした春巻きの皮と喧嘩しない。

すりおろされた唐墨を付けて食べれば、
野菜の甘みと魚卵の塩味がぴったりマッチ。


《かに玉》

餡掛けではなくスープに漬かっているいるのは確かに玉子。
でもそれ以外の具材は見当たらず。

スクランブルエッグのような仕立てとスープを一緒に口に運べば
メニュー名通りの味わい。


《牛肉、季節野菜の炒めもの》

野菜は厚めの椎茸。牛肉は軟らか。

ようやく既知の中華らしい一皿も、
油は軽めでどちらかといえばさっぱりといただける。


《フカヒレ入り、蒸しスープ》

極厚の椎茸に、繊維が太い鱶鰭、中国ハムが一片に
ピンポン玉大の鶏のふわふわつくね。

碗もスープも熱々の上に
滋味が広がる体に良さそうなスープ。


《〆の食事》

ジャスミンライスの炒飯。

形状は間違いなく長粒米
そして目の前に置かれた途端に立ち上がる香りの良さが半端ない。

これも油っけは控えめ。でも、ちゃんと炒飯になっている。


《杏仁豆腐》

〆のデザートの上にはミントと苺。
で、この苺が甘々で馬鹿ウマ。

勿論、杏仁豆腐にも間違いなく
ひんやりの口当たりでさっぱり。


なるほど、
ヌーベルシノワ}なのだなと納得する。

よだれ鶏》がその典型。
メニューを要素に分解し、再構築を施す。

見た目は、慣れた一品とは大違いも
エッセンスはちゃんと踏まえられている。

けだし良店。