RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

シグナル 月曜日のルカ@チネチッタ川崎 2012年6月23日(土)

191席の【CINE10】は二割程度の入り。

客層は中高年の、単身のおぢさんが圧倒的に多く、
ストーリーに胸をきゅんきゅんさせたいのか、
主演の『三根梓』に萌えたいのか、
どちらだろう?

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大学生の『恵介(西島隆弘)』は
時給1,500円の高給に釣られ
夏休みに田舎の古びた映画館で
映写技師のアルバイトを始める。

そこで映写技師長として紹介されたのは、
まだ若く美しい『ルカ(三根梓)』。
しかし、彼女は、もう三年もこの映画館から、
一歩たりとも外に出ずに暮らしているという。

しかも『恵介』は映画館の支配人『南川(井上順)』に
「ルカの過去については、一切の質問をしないこと」をはじめとする
三つの奇妙な約束をさせられる。

三年前の彼女に、何があったのか。


監督の『谷口正晃』は2010年版の〔時かけ〕を撮っており、
これは主演の『仲里依紗』は勿論のこと、
青春期の切なさを美しく掬い上げた素晴しい一篇。

で、本作も、短い夏の間のラブストリーを
瑞々しく表現している。


描かれていること自体は、
現代ではありふれて散見される事象のコラージュに過ぎず、
若干陳腐。

なので、その設定をいかにするかが、観客に感情移入させる
キーであるのだが、
ここでは、
二つのスクリーンで、
懐かしい映画を二本立てで上映する田舎の映画館
という浮世離れした舞台だてて、
逆に親近感を醸している。

兎に角、映画への偏愛の満ち満ちているのだ。


西島隆弘』は〔愛のむきだし〕の時よりも
演技に自然さが身に付いた。

三根梓』は若干のぎこちなさはあるものの、
その目にはチカラがある。


冒頭にも書いたが、はからずも
胸がトキメイテしまった一作。