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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

愛と誠@チネチッタ川崎 2012年6月23日(土)

席数129の【CINE2】は三割程度の入り。
公開二週目、加えて「チネチッタデー」にしては少々淋しい印象。

原作は70年代初頭を風靡した大ヒット漫画。
まあ、自分なんかも「少年マガジン」を
この為ではなく、せっせと買った口なんだけど。

客層も、それを懐かしむ年代が
多いのかと思っていたが、
確かに高齢には振れているものの
(「PG12」だからか)幅広い。

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監督の『三池崇史』は2009年の〔ヤッターマン〕でも
福田沙紀』に散々恥ずかしいことをさせ、
恥ずかしい台詞を最後の最後に喋らせた前科がある。

本作でも『早乙女愛』役の『武井咲』に、たっぷりと
恥ずかしいことをさせている。

本編初頭での〔あの素晴しい愛をもう一度〕を歌いながらの
『パパイヤ鈴木』振り付けによる
こちらが赤面するほどのぎこちないステップ。

中途のメイド風ミニスカートを着けての
ぎこちないポージング。

とどめは、セーラー服を着せて
後ろ手に縛り上げ、天井から吊るし上げる。

もう、監督のアブナイ嗜好
全開である。

ただ、年齢も外見も原作に酷似していることも含め
最適なキャスティング。


『太賀誠』には『妻夫木聡』。
もう31だと言うのに、高校生役を演じている。
が、外見が原作に準拠しているので
これは許容範囲か。
まあ、〔Paradise Kiss〕の『向井理』より
違和感ないわなぁ。


本編は、原作の基本的な骨格はそのままに、
体裁を大胆にアレンジしている。

時として挟み込まれる現代風のギャグ。
そしてミュージカル宜しく、
登場人物が突如として唄い踊りだす。

しかも、通常のミュージカル文脈を逆手に取り、
回りの人間に、恰も異なものを見る態度をとらせることで
それをも笑いに転化している。

素晴しい。


観終わって出て行く客からは
「原作と全然違うじゃないか」との声もあがっていたが、
なに、そんなことはたいした問題ではない。

主題をきっちりと抑えながら、
技巧たっぷりに娯楽作を創りあげた
監督の大いなる佳作である。