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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

スープ・オペラ@TOHOシネマズ 川崎 2010年10月14日(木)

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阿川佐和子』の小説の映画化作品。

席数112の【SCREEN8】は四割程度の入り。
客層は、若い女性とカップルが多いかな。


大学図書館の司書をしている『島田ルイ(坂井真紀)』は
幼い頃に母を亡くし、叔母の『楢崎藤子(加賀まりこ)』と、
古風な家で二人暮し。

ところが、突然その叔母が、二回りも年下の医師と結婚し、
家を出て行ってしまう。

独り遺された『ルイ』だが、画家の『トニーさん(藤竜也)』や
雑誌の編集部をクビになった『康介(西島隆弘)』が次々と転がり込んで来て、
無聊を託つ暇もない。

そして、三人の、奇妙な共同生活が始まる・・・・。


結局、映画は趣味の世界だから、肌が合う・合わないが明確に出る。
自分の場合、それはオープニングで決まってしまうことが多い様だ。
何か起こりそうだ、何かを期待させるで出しなのかどうか。

本作は、いきなり、古びたカルーセルの前で、
バンドネオンを弾きだす楽士から始まる。
勿論、後々に繋がっていくし、場面転換の折々に登場するのだが、
この必要性がさっぱり疑問。

次いで、タイトルにもなっている「スープ」。
この存在感が弱い。
他のものでも十分に代替できてしまうではないか。

基本ファンタジーなのだから、物語の世界に
ゆったりと身を委ねられれば成功、
できなければ失敗。

そのためには、最もらしい嘘が多数必要なのだが、
二人の男性が家に来る過程も含め、
余りにも騙され難い設定。

これもそうだったのだが、
フアンタジックなシーンは本当に必要なのか。
ましてや、日本人にダンスはとっても似合わないと思うぞ。

これを現代の、しかも日本を舞台にしたことがそもそもの間違いで、
1940~50年代のアメリカのロマンチックコメディーであれば、
状況はかなり違っただろう。

要は、設定も含めて、全てが間違いだったのだ(あくまでも映画上のハナシです)。

バベットの晩餐会〕の様な料理を主題とした佳作は、
日本では望めないのかなぁ。