前回、此処に行ったのは
プレイベントの時だから、
二年近くも前になる。
さて本展、混雑を覚悟して訪問したのだが、
想定通り、なかなかの人の入り具合。
自分が入場した時は、さほどでもなかったが、
会場を出る頃には「混雑のため、入場口を変更しています」
とのプラカードが掲げられていた。
懸念した通り、小部屋で、特に、
且つ小品が多く展示されている場合は滞留が激しい。
ここいらへん、もう少々、工夫が必要と思われた。
先に挙げた
動線の造り方以外は、
今回の展示方法は、まずもって素晴しい。
特にキャプションの付け方が絶妙。
それは、
技法の解説であったり、
モデルとの関係性であったり、
ジャポニズムの取り込み方であったり、
時代的背景であったりと、
細に入っている。
かと言って、全ての作品に対して
掲示されている訳でなく、
メリハリの効いた構成になっている。
「あれ、これなんだろう?」と思うところに
付けられ、小憎らしいほどだ。
また、モデルの写真も随時併掲され、
太い線で縁取られ、ある種図形化された作品群と比較することで、
どれだけ
カリカチュアライズされても、
実態の本質を捉えていることが良く判る。
彼が参照したであろう『
歌麿』の浮世絵の展示も然り。
より作品を理解する一助になっている。
また、活写された画の中の表情は、
往時のココロの中を
如実に描いていることも
良く判る。
そして、あの
『
サラ・ベルナール』を取り上げた一点。
当たり前だけど、これほどシンプルに描かれた彼女を観るのは、
今回が初めてだった。