RollingStoneGathersNoMoss健啖部

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少女たちの羅針盤@チネチッタ川崎 2011年5月14日(土)

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「川崎地区独占先行上映」の文字が賑々しく躍る。

加えて今日が初日の割には、
席数290と、そこそこの大きさの【CINE4】の入りは
ニ~三割程度と、淋しい限り。

客層は、そのタイトルに惹かれたであろう感じの、
妙齢の男性一人客多し。それは自分を含めてのことでは、
あるけれども。


廃墟となったリゾートホテルの跡地で、今、
ネットシネマの撮影が始まろうとしている。

主演の新人女優『舞利亜』は、ロケの舞台となった土地の出身で、
かつ伝説の女子高生劇団『羅針盤』に在籍していたことがあるらしい。

しかし、撮影監督の話から、
四人で構成されていた『羅針盤』のメンバーの内、
誰かが亡くなっていることが判り、
加えて『舞利亜』には、「お前が殺したのだ」と言った類の
セッセージが、撮影中に届き始める。

死んだメンバーとは、
そして『舞利亜』は、四人の内の誰なのか。
謎を孕みながら、撮影は進行する。


物語は、現時点の撮影現場と、
四人の少女達が『羅針盤』を立ち上げ
成功させる(ある意味での挫折も)までが
併行して描かれる。

四人の外見・性格・境遇は、
共に明確に色づけされ、
やや定型的ではあるものの、
観る側には分かり易い。

大人との葛藤に加え、
現状でも問題となっている「ネット虐め」等も取り込み、
加えて、学園のモノの王道である各種エピソードも、
「これでもか」と言うほど盛り込まれているのに、
これは原作の手柄だろうが、
うそ臭さを感じさせないのも良い。

二つの謎、
・『舞利亜』は誰か
・誰が死んだ(殺された)のか
を明かすタイミングも絶妙で、
同時に、誰が仕掛けているのか?
も氷解する手管もかなり上手い。


が、本作の力点は、謎解きよりも
少女達の高校時代を描くことに置かれ、
彼女等の瑞々しさ、その一瞬の輝きを
余すところ無く掬い取っている。

劇中劇は、おそらく、この映画の為に創作されたものだと思うが、
作中の各所に張り巡らされた伏線に加えて、
こちらも、特にエンディングに向けての重要な要素となっており、
舞台衣装も含めて、要CHKである。


事前情報も殆んど収集しておらず、
主演女優に魅かれ観に来たのだが、
望外のもうけもの。
これは、ヒットして欲しい作品。

元々、それが目当てであった、『成海璃子』のガタイ、
その肩幅・二の腕・脹脛が、更に逞しく成り、
まさしく期待通り。
このまま成長を続け、少し猫背な姿勢も含め、
より男前になってくれることを
激しく希望する。