RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

アメリカン・ハッスル@みゆき座 2014年3月1日(土)

席数183の当該館は満員。

封切り三か月目に入ろうとしている時点での
これは凄いな。

やはり間近に迫った、
アカデミー賞」が大きく影響しているのかもしれない。

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本業の傍ら、融資詐欺でも金を稼いでいる
『アーヴィング(クリスチャン・ベール)』は
嘗ては一匹狼だったものの、今では知人のパーティで知り合った
『シドニ(エイミー・アダムス)』とコンビを組み
愛人関係をも結びながらそれなりに上手くやっていた。が、
ある日、FBIの捜査官『 リッチー(ブラッドレイ・クーパー)』に逮捕され
釈放の条件として、同業者を四人売ることを求められる。

最初は、軽い要求であった筈なのに、
多くの人物が巻き込まれる度に話は雪だるま式にに大きくなり、
ついには議員の疑獄迄をも視野に入れた大捕り物の様相を
呈するようになる。

しかし、そこに絡む人々には
相当アブナイ曲者もおり、
『アーヴィング』と『シドニー』は
自分達の身も危険に晒されるコトになるのだが・・・・。


例によって、「事実を取り込んだ物語」の注意書きが
先ず、冒頭でなされる。

とは言うものの、FBIが(CIAもそうだが)孤高の正義の集団
だなんてイマドキ誰も思っていない。
自己の手柄の為なら、囮捜査を含め犯罪すれすれ(若しくは、犯罪そのものに
手を染める、とか)のコトを平気でヤル、と言うのは周知の事実。

なので、なんで今頃これを映画化と言うのは、
最後まで釈然としない部分としては残る。


が、物語の進行は至って流麗。

天才的な詐欺師と
大きい事件をあげて名を上げたいFBI捜査官。
二人の思惑が、あざなえる縄の様に、表に出
裏に回り、予断を許さない状況が最後まで持続する。

この種の「コンゲーム」の常として、
落としどころの意外性をどこに持って来るのかがキモなわけだが、
本作では、思わぬ方向性のエンディングが待ち構えている。


それに加え、周囲を彩る登場人物は相当に魅力的。
エキセントリックな魅力を振りまく
『アーヴィング』の正妻『ロザリン(ジェニファー・ローレンス)』。

部下の『リッチー』に振り回され、暴力まで奮われてしまう
FBIの上司。

主人公も含め、個人のキャラクターを笑うエピソードも用意され、
サスペンスと共に笑いも充満、かなり楽しめる一作になっている。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。


上映時間は2時間20分の長尺。
しかし、それを些かも感じさせない疾走感。

裏社会の顔役として、ちょいとだけ出て来る
『デ・ニーロ』の存在感も相変わらずだしな。