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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

トーキョーワンダーウォール公募2010入選作品展@東京都現代美術館 2010年6月12日(土)

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10回目の記念展ということで、
常と異なり一階には過去の受賞者の作品を集めたコーナーが。

ちなみに去年はこんな感じ

TWS】でも観た、『永島千裕』や『小畑多丘』の作品も展示されているが、
ここはやはり『大槻透』と『平林貴宏』でしょ。

前者は〔四季2010〕
金箔や光る石を多用。
POPと和風が融合した人物が、油彩で、
春夏秋冬各一人ずつ描かれている。
アルファベットでキャッチも描きこまれ、
いや、相変わらず、観ていて楽しくなる。

後者は〔落花〕。黒や茶が主体の渋い世界。
水面には一葉の枯葉。それを追う様に(それとも起点に)、
花や葉が回転しながら、渦を巻いて昇っている様にも見える。
蝶が乱舞しながら纏わり付いている。
丁度、『速水御舟』の〔炎舞〕を逆さして、再構成したような。


”公募2010”の展示では、
『大塚怜美』の〔籠中鶏図〕。
「籠」と言っても、ここではスーパーの買い物カゴ。
箔の上に描かれた鶏は、尾や足、鶏冠は立派だが、
胴体は、捌かれ、トレーに詰められ、ラップをかけられ、
「モモ肉」「ムネ肉」のシールを貼られた肉の塊。
なまじ正統の日本画表現だけに、タイトルから想像される図との
ギャップが堪らない。

そして『three』の〔14.2kg〕。
表面に極彩色の墨流しをしたような、波打つ長方形の物体が、
ポツンと置かれている。
厚みは3cm×幅は30cm××長さは1m程だろうか。
表面の色と形状以外は、何の変哲も無い一枚のプラスチック版。
しかし、材質の欄にには「フィギュア」と?
そこで、身を屈めて下から覗き込むと、
そこには累々と敷き詰められた美少女フィギュアが・・・・。
うげ。
型にフィギュアを詰め込んで、熱を加え溶かしてから形成したのだな。
なんて罰当たりな。一部の人が見たら激怒するだろう。
レアモノがあったら、大変じゃあないか!

九十点強の展示は見応えも十分。
タイトル以外に技法と材質も注視すると、更に面白みが増す。