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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

寄贈の近代日本画展@アトリア 2010年6月13日(日)

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地元で鋳物業を営む『田原家』から寄贈されたという、
近代日本画の大家七人の、計十一点の展覧会。

展示の仕方がまずユニーク。
県内の小川町特産の「すき和紙」が空間分割と、
軸の背景として使われている。

天井から吊り下げられた和紙の前に当該掛け軸。
下には結界宜しく、大きめのボードが設置されている。
風鎮の替わりに錘で固定された軸は、
硝子のように遮るものが無く、
かなり場内の照明が絞ってあることを除けば、
筆跡まで仔細に見て取れる。

出入り口には紗が架けられ、雰囲気も満点。

画自体は「渾身の力を篭めて描きましたぁ」という感じではなく、
洒脱にさらっと描きあげたものが多い。

その中でも、『前田青邨』の〔蝦〕は水墨で描かれた
伊万里の鉢の中の一匹の蝦。
薄い甲殻を通して腑も見えてしまいそうな可憐な姿が、
繊細な筆致で描かれている。

『清方』の美人画は双幅の二点。
整った面立ちと、すきっとしたうなじの表現、
髪の生際の暈かしは勿論素晴しいのだが、
〔今戸〕の清楚な浅葱色と黒のコントラスト、
加えて傘から滴る雫も微細に描き込まれ、
つい長時間見入ってしまう。


会期は今月2日~20日と短いながら、
その名を聞けば多くの人が知っている画家ばかり、
しかも無料だし、点数は少ないけれど、行く価値アリ。