「北海道白老町の観光大使がいる食堂」と書かれてはいるが、
ご当人は「白老町」出身ではなく、
地域の素材に惚れこみ、自らその任に当たっている由。
標題の店の近所でも
スペインバルを経営するおっさん、とのことで。
我々的には、若いおねえさんの「観光大使」でないのは残念も、
酒と料理が美味ければ無問題。
当日は予約をしての訪問。
最初の内は我々だけだったのが、
団体客が二組も入り、店内はかなりの盛況に。
事前予約をした上で、
飲み放題付きの「お試し白老宴会コース」4,000円を。
どうせ足りないことは目に見えているので、
追加を何皿か頼めば良いだろう、と。
《かじかいくら》
初めて食べる味。
粒の大きさかイクラの半分ほど。
塩味やコクは軽め。
粘りも無いので、箸だと少々食べ辛い。
《道産枝豆》
身がぱんぱんに詰まり旨味も十分で、これは美味しい。
《虎杖浜たらこ入りだし巻き玉子》
「こじょう」と読むのね、てっきり「いたどり」かと思ったが。
それはさておき生、出汁が効いた玉子に辛くない鱈子の二重奏は
旨味が重なり絶品。
《シンプリーサラダ》
酸味の強くないドレッシングは良い感じ。
野菜もしゃきっとした歯触り。
《鶏ザンギ》《とうやポテトフライ》
北海道での表現も「ザンギ」は好きな味付け。
からりと揚がり中はジューシー。
一人あて一個しかないのが残念。
出色はポテトフライ。
揚がり加減も上出来。
ほくほくして、更に味も濃い
《本日の白老魚料理/氷下魚の干物焼き》
これは骨付も、それごとばりばりと齧り付く。
身はほっこりで、軽い塩分も好ましい。
《白老食堂名物スープカレー（1/10辛》
これで三人前（ご飯は一人分）。
スープ系でややしゃばっとし、ほぼほぼ辛さは無く。
それでもカレーらしい味はしっかりで、
口の中がぴりっと刺激され、
〆には最適。
ここまではコースの料理。
中途で足りないことは分かったので、
カレーの前に幾つかを追加でオーダー。
《行者にんにく味噌奴》
「にんにく」とは書かれていても、
臭みは無し。
味噌に合わせることでたっぷりした味に。
それをさっぱりした豆腐と掛ける、
面白い食べさせ方。
《ジンギスカン炒め》
道産のものでこれは外せない。
お約束の具材に、お約束の味付け。
期待通りの美味しさ。
肉の量も多め。
《ホタテ貝バター醤油焼き》
二人前を発注。見た目からして旨そうだし、
実際、海の味にバターが重なりえもいわれぬ具合に。
帆立もおっきいしな。
《白老産にしんの酢漬け》
「酢漬け」とは書かれているが「酢〆」が正しかろう。
思いの外、量が多くて吃驚。
鯖ほどではないが脂の乗りも十分で身も厚い。
〆加減も上々。
《白老牛ハンバー
夜の定食メニューからハンバーグだけを単品で。
箸を入れれば肉汁がじゅわっと流れ出す。
焼き加減も心地好く、
牛の美味しさをしっかり味わえる。
付け合わせの野菜類も、
旬のアスパラは勿論、やっぱポテトでしょ。素晴らしい旨味。
そこそこの追加をしたので、
払いの方は１．７万円ほどに。
評価は、
居酒屋基準の☆５点満点で４．０（☆☆☆☆）。
「食べログ」の評価は高くない割には
満足度は高かった。
