嘗て『一本槍』が在ったこの通りは
月に複数回は歩く道。
なので標題店は工事中の頃から認識も
出来上がってみればラーメン屋さん。
そのうちに行こうと思っていたものの、
あっと言う間に話題・行列店に。
前を通る度毎に、その凄まじさに慄き、
そして四年が経過。
でも昨今の情勢を反映し、イベントは中止になるわ
ギャラリーは休館だわで時間がぽっかりと空いてしまう。
行くなら今日でしょ。
混雑緩和の為に、エントリー制になったと聞いている。
10時少し前の店頭着で既に十四人の並び。
確認開始は10:30と聞いていたが実際には
10:15から人数と杯数の聴取が。
名前を告げたのち、11:40には戻って来るようにとのことで
さあどうやって時間をつぶそうか。
ま、旧知のエリアだからねとあちこちをうろつき
指定時刻に舞い戻る。
店員さんに促されるまま一旦入店し入り口右手の券売機で食券購入。
程無く徴収され、更に数分の待ちを経て、中に招き入れられたのがほぼほぼ12時。
店内は厨房に向いたストレート九席のカウンター。
数分で事前のお願い通り
かけ塩(700円)が供される。
おお!ネーミングに偽りなし。
シンプルな見た目だ。
具材は、低温調理のチャーシューの角切り少々。
白髪葱、柚子片、生紫玉葱の微塵切り。
麺はやや細ストレート。表面はつるりんと滑らか。
気持ち良くつるりと啜り、むっと歯を立てれば
餅のようにつつと伸びる。
これは良く出来ている。
量はメニューに書かれている通り100g弱。
スープは淡い黄金色、表面には厚めに透明の油。
なんの気なしに口を付けると、あちちち、あうやく火傷しそうに。
熱々だぁ。
塩味は抑えめ、一方の基本の出汁も強く主張するわけでなく、
混然としじんわりと旨さが染みて来る。
軟らかめの口当たりもあって、気持ち良く完飲。
空になった丼をカウンターに上げ、次の一杯を待つ。
食したのは
上醤油。
値段は1,300円。
合わせて二千円の大枚は一時にラーメン店で使った金額の最高かも。
でもねぇ、このままコロナウイルスの感染が収束しないと
戒厳令くらい出しかねない勢い。
先のことを考えるとつい刹那的になっちゃう。
おっと閑話休題。
ほんの2分ほどで次の一杯が供される
随分と具沢山。
ローストビーフ様の牛肉。
角切りの鶏胸肉。
夫々が際立った美味しさ。
薬味には白髪葱、青葱。手前には紫蘇かな。
低温調理の豚肉が二枚。
メンマは細めの拍子木状。
形が揃い、味付けも歯の通りも良好。
海老雲呑は大き目のビー玉大が一つ。
衣がちゅるんとし、餡も美味しい。
短冊大の海苔が三枚。
磯の香りが半端なく良い。
麺は《塩》のそれと同様と思われ。
量は100gほど。
スープは琥珀色の醤油清湯。
表面には厚めの透明の油の層。
エスプーマのような泡が乗せられ
柑橘系の香りがふわりと立ち上がる。
先ほどで懲りたので、きちんと撹拌してから口を付ける。
おや思いの外熱くない。すっと含めてしまう。
『斑鳩』@九段をちょっとだけ思い出す。
鶏と和風出汁、醤油が絶妙のレベルで融合。
ガツンと来る強烈さはないものの、う~~んと唸ってしまう美味しさ。
中途
別添の本枯節を投入すれば、今度は魚介系の旨味が広がる味変。
計算し尽されているなぁ。
ほぼほぼ完飲。
評価は、
《塩》が☆5点満点で3.5(☆☆☆★)、
《醤油》は4.5(☆☆☆☆★)。
確かに美味しいのだが、
実質の並びは40分ほども、中途の時間が読めないので
よほど余裕のある時にしか行けないなぁ。