RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

私の男@TOHOシネマズ 川崎 2014年6月14日(土)

ヒミズ〕では十八歳ながらパンツを丸出しにして転げ落ち、
地獄でなぜ悪い〕では十九歳でボンテージに近いフアッションで悩殺し、
二十歳になろうとしている今年、「R15+」指定の本作で
どんな凄いコトをしでかしてくれるんだろうと
煩悩まみれのお父さん達が、もんもんとしながら足を運ぶであろう劇場は、
本日が封切りの初日。しかし、
席数144の【SCREEN1】の入りは七割程度と、以外なほど入っていない。

ま、当該館では、この後の回で、舞台挨拶が設定されており
多くはそれを目当てに動くだろうから不思議ではないのだが、
四割程度は女性と言う客層に驚かされる。
浅野忠信』って、そんなに人気あったんだ。


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北海道南西沖地震」で生き残った一人の少女を
遠縁と称する男『淳悟(浅野忠信)』が養女として引き取り
男手一つで育て上げる。

それだけであれば麗しいオハナシなのだが、
『淳悟』は美しく成長した娘『花(二階堂ふみ)』と関係を持ってしまう。

それを知った人達は、ある者は去り、ある者は事故に遭い、
ある者は殺される。

二人の禁忌を犯した関係は、
どのような結末を迎えるのか。


何とも曖昧模糊とした一篇だ。

先ず『淳悟』が『花』を引き取る経緯が判然としない。
遠縁の関係であることが前提だが、
一方で、実の親子であるようにも取れる会話もある。

自分的には、全くの見ず知らずの他人を、最初から『ロリータ』のように
育てるつもりで引き取ったふうに捉えた。

そうであれば、法的なことは別として
「禁断の関係」にはならないのだが(十七歳の年齢差の夫婦なんて
世間にはありがちだし)、
本作では妙にそこに拘る描写が多い。

しかも女性の側から求めてそうなった、ことを多分に匂わせる。


家族とか愛情を求める男女が、
歳の差や姻戚を越え結ばれ、
疑似的な家族関係を結ぶことは不思議ではない。

それを象徴するように、
ドヴォルザーク』の〔交響曲第9番ホ短調作品95 第二楽章〕=〔家路〕が
繰り返し流される。

なので、元々の関係こそが問題なのだが、
そこに区切りがついていないのが、やや消化不良。


消化不良といえば、肝心のカラミもちっともエロくない。
どうやら『二階堂ふみ』。服を着ている方が、
その色香が十二分に発散されるようだ。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。


オープニングでシーンの区切りと共に
タイトルが重なる。
ここで本作は『花』の物語であることを
はっきりと打ち出す。

そしてラストシーン。彼女は
『淳悟』にとっての「ファム・ファタール」であったことが明示される。

何れにしろ、ダメな男に比しての
嫋やかな女の強さが再び語られる。

最後まで、恐ろしい映画なのだ。