RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ヒミズ@TOHOシネマズ川崎 2012年1月14日(土)

席数142の【SCREEN1】は、
ほぼ満員の盛況。
ま、今日が初日、だからねぇ。

客層は、ほほう、初日に来る映画好きは
こんな層なのね、という、少々高齢の
御独り様が多い。

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共に両親から激しくネグレクトされている
『住田(染谷将太)』と『茶沢(二階堂ふみ)』の
交わりが語られる。

その遺棄や迫害の度合いは、
オハナシとは言え、常軌を逸している。

周囲の多数の人達の生き様を織り込み、
数多の人間の暗い側面や救済を見せながら、
モノガタリは終焉に向かう。


作毎に違った味わいを見せる監督の『園子温』だが、
通底しているのは登場人物のエキセントリックさ。
本作ではそれが頂点に達した感があり、
全ての人達の行動はかなり唐突でカリカチュアライズされている。

しかし、それが、人間の獣に近い面を
拡大的に見せる事に効果を発揮している。


ヴェネツィア」で賞を得たことからも判るように、
若い主演二人の演技はパワーと疾走感に満ちている。
が、これが無ければ、以外と凡作に堕してしまっていたかもしれない。
功大なりと言えるだろう。


多分、元々は脚本に無かったであろう
東日本大震災」が登場人物各々の背景や
影響を与えたものとして取り込まれている。

間際の変更と思われるが、
唐突感は無い。
しっくりとストーリーの一部として馴染んでいる。

また、過去の名作からの引用と思われるシーン
(例えば、〔地獄の黙示録〕とか)も都度あり、
その面でも楽しませてくれる。


しかし、評価の分かれる作品だろうな、これは。
☆五点満点では☆★以下か、
☆☆☆☆★以上か。
中間は有り得ない。