RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

脳男@109シネマズ川崎 2013年2月10日(日)

席数345の【シアター6】は八割方の入り、
封切り二日目の週末、
「109シネマズの日」、
人気若手俳優の出演、
と言った要素からだろうが、
客層は若い女性が圧倒的に多い。

イメージ 1


都内で無差別な爆弾テロが頻発する。
事件を追う刑事『茶屋(江口洋介)』が僅かな手がかりを辿り
街工場の一角に踏み込む。

突然起こった爆発の後には、
一人の男が佇んでいた。

容疑者として逮捕された男は『鈴木一郎(生田斗真)』を名乗る。
しかし彼の顔には一切の表情が無く、
態度も異常さを感じさせるものだった。

『茶屋』は彼の精神鑑定を、気鋭の医師『鷲谷(松雪泰子)』に託す。
各種のテストを行った結果は、
余りにも平均的な偏りのないモノだった。

そのことに不信感を抱いた彼女は『鈴木』の過去を紐解くことにのめり込んで行く。


一言で言うと、理由の無い映画だ。

元々シリアルキラーの行動には
確たる理由が無い。

本作でも爆弾犯の『緑川(二階堂ふみ)』と『水沢ゆりあ(太田莉菜)』には
それらしい背景が見られない。


登場人物の殆どはエキセントリックだ。

犯人達は勿論だが、
刑事の『茶屋』にしろ
精神科医の『鷲谷』にしろ例外ではない。
感情を剥き出しにする。

そんな中で、主人公の『鈴木一郎=入陶大威』だけが例外的な存在。

感情が無い様に見えるが、
唯一冷静に時局を分析している。

しかし、彼とて、犯罪者を断罪することに
確たる理由は無い。
ただ、その様に行動しているだけ、である。


そんな『入陶大威』が
唯一、他人の為に行動を起こす。

本作の要である。



主演の『生田斗真』は特異な性格付けの『脳男』を好演。
一切瞬きをしない、無表情さは素晴らしい。

規模の大きい特撮も随分とこなれており、
迫力がある。

ただ、ワイヤーアクションは稚拙で、
一目でそれと判ってしまうのは難点だが。

評価は☆五点満点で☆☆☆☆。


最初、なんちゅ~ヒドイ
タイトルじゃ、と憤慨したのだが、
作中明かされる、その由来を聞いてかなり納得。
言い得て妙である。