RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

銀の匙 Silver Spoon@品川プリンスシネマ 2014年3月16日(日)

封切り二週目。
席数96の【シアター10】は三割程度の入り。

老齢の夫婦が居るかと思えば、
お子連れのお母さんがおり、
年齢の幅は広いが、二人以上連れが多いのは間違いない


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原作は『荒川弘』の大ヒット漫画。

〔鋼錬〕であてにあてた彼女の、
次作はど~よと、期待して待っていたら
思わぬ方向の農業を主題とした一作。

最初は躊躇していたものの、
試しに一巻を読んでみれば
いや、面白い面白い。

当然のことながら、全巻持ってます。



で、映画の方も、予告編がまずまずの出来だったので、
迷わずに鑑賞。

封切り十日目で、小さい劇場の
更にこの入りでは、少々不安もあった。でも、
観終われば、どうしてどうして、なかなか良く出来ている。


原作は既に十巻を越え刊行中。
本編はその内の七巻中途までを題に取り
かなり手際よく纏めている。

高校生活であれば、春の入学から秋の学園祭までにあたるだろうか。

原作では数々のエピソードがてんこ盛り、
脇役さえ生き生きと動き出しているのだが
ここでは大きく端折り、登場人物も収斂させている。

その分、個人の性格付けの深みや、
楽しいギャグを大幅にそぎ落とし、
『荒川』作品らしさが欠落している恨みはある。


ただ、各キャラクターの再現性は素晴らしく、
主人公の『八軒』や『アキ』は
漫画から抜け出して来たかと思わせるリアルさ。

特に『富士』先生を演じた『吹石一恵』。
も~、生き写しなんですけど。

唯一、『八軒』の父親だけは
ミスキャストだがな。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。

登場人物を寄せたことで、
一人に多くの役割を持たせる工夫が必要となり、
その分、ムリな科白回しはあるのだが、
シュチエーションをあてることで不自然さを感じさせないのは
脚本の手柄か。

何れしろ、原作を読み込んでいればこその感想であり、
そうでなければ、かなり自然に受け入れることができるだろう。


余談ではあるが、肉を脱いだ『タマコ』が見られないのは
残念だった。