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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

24名の作家による~今日の墨表現展~@佐藤美術館 2013年5月12日(日)

年に数回ある、有料の展示会。

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一般の入場料は500円。
ディスカウンター等では
招待券が200円程度で販売されているのだが、
日頃、無料の展示会にお世話になっているので、
きっちりと有料で、
しかし、HP上の割引券
を利用し、300円で入場する。


恐い画がある。
『阿部清子』の〔正体〕。
髪の長い白い服を着た若い女性が
三つ指を着いている。
淑やかそうな仕草、貌だ。
しかし、その背後には黒い影が
凛とした面立ちで、ぼうと立ち上がっている。
がくがく、ぶるぶる。

その隣、『大塚怜美』の三幅も怖い。
凝った表装。描かれているのは若い女性。
〔眼上線引図〕〔ヒトサシユビ〕〔有色眼皮装着図〕
のタイトルは、何れも若い女性の昨今の装いを現し、
暗い画面に正面を向き、まさに変化しようとするその瞬間。
これから、男どもを手玉に取る為に、ウキウキと出かけて行くに違いない。
おまけに、描かれている女性が『西野カナ』に
何と無く似ているのが恐さを増幅させている。

一見、落ち着いた画に見える『及川聡子』の〔香焔1~4〕は
四連の作品。
すうと立ち昇る煙が、上に行くに連れ渦を巻く。
良くある情景にも見える。
しかし、煙が淀んでいる辺りには、
予期もしない「魔」が潜んでいるのではないか。

『高村総二郎』の〔MACCHAN-101007-2〕は
体躯の到る所に紋々を彫った若い男が
裸で立膝を抱えている。
龍の眼はまだ入っていない様で、彫りの途上か。
男性特有の剛毛もきちんと描き込まれた細密画。
観ていて嬉しい作品ではないが、
茫漠とした寂寥感が伝わって来る。

『越智波留香』の〔白雨〕は、
墨絵でありながら、その状態が上手く表現されている。
僅かに離れて見れば、上部の空は今だ明るく、
下部の近景にあたる草叢は、はや濡れそぼっている。
突然の雨に煙る家並みには、人影も見えない。
天と地を結ぶように走る細かい線の描写が素晴しい。


会期三日目と言うこともあろうか、
思いの外、入場者は多く、
自分が居る間だけでも十名はくだらない。

結構なことだ。

~6月23日(日)まで。