RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

アウトレイジ ビヨンド@チネチッタ川崎 2012年10月23日(火)

席数129の【CINE3】は八割程度の入り。

客層が高齢に寄っているのは「R15+」だから当然としても
カップルが多いのは意外。
それ以外は、男性独りだけが(自分も含め)圧倒的に多く、
ま、これは、想定通り。

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前作のラストの展開は、
観客の側からすれば
かなり想定からは外れており、
ある意味驚愕の結末だったわけだが、
その映画の続編である本作は
これまた、予想も付かない引っ繰り返しの連鎖が次々と起こり、
画面が黒転した後の流れは、
「あらまぁ。また、こうして裏切られたのね」
と、ついつい嘆息してしまう。

出て来るのは、警察も含めて、殆どが悪人揃いなのだが、
普段であれば「良い人」を演じることが多い役者さんも、
それなりの邪な側面を見せ、
何とも面白い。


「山王会」の内部抗争と、
それを巧みに操りながら
組織の縮小を狙いつつ、所々で甘い汁を吸う
悪徳警官の小狡さが描かれた元々のストーリーに、今回、
関西の巨大組織「花菱会」の思惑が加わり、
物語は更に混沌の様相を見せる。

しかし、多くの登場人物の最終的な目標は自己肥大であり、
基本それに向かって邁進するのだが、
前作で死んだとされていた『ビートたけし』演じる『大友』が後半復活し、
抗争に身を投じ、やがてスピンアウトして行く、
しかし内面にクスぶる無私の怒りを
基本抑えた演技の中で(怒鳴るのは一か所だけだ)見せて秀逸。


今回も火器類が激しく放たれ、
死人は量産される。

一般の映画であれば、主役級の人達も
あっさりと死体となってしまう扱いは凄いのだが、
それ故に、先が読めないこと
のバックボーンになっており、
キャスティングの妙とも言える。

観終わった後は、不思議な爽快感に満たされる。
今回も思いもよらぬラストシーンが
山葵の様にピリリと効いている。