RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

SAFE セイフ @チネチッタ川崎 2012年10月23日(火)

さすがの割引Dayでも、
朝イチの回の為か、
席数154の【CINE9】は20~30人程度の入り。

「R15+」の規制が付いているためだろう、
客層はやや高齢の男性独りだけ
が、圧倒的。
しかし、妙齢の女性の姿も、散見されはする。

イメージ 1


元NY市警の『ルーク』はその正義感が災いし
職を追われ、今は清掃員の傍ら、アンダーグラウンド
オクタゴンで、その圧倒的な強さを生かしながら
八百長試合をして日銭を稼いでいる。

しかしある日、そのメイキングに失敗したことから、
賭けの大金をすったロシアンマイフィアに
執拗に狙われるようになる(この「狙われ方」のアイディが秀逸)。


一方、中国人の少女『メイ』は、超人的な記憶力を
チャイニーズマフィアに見込まれ、
その特殊能力の利用価値のために、
拉致同然にNYに連れて来られる。


彼の地で、孤独な二人の運命が交錯し、
両マフィアと、腐敗したNY市警をも巻き込んだ
四つ巴の抗争になだれ込む。


いやまあ、小気味良いほどドンパチが繰り返され、
車も壊され、数多の死人が量産される。

実際に、市内でこんな事が起きたら、
市警幹部は勿論、任命責任のある市長の首さえ飛ぶだろうが、
そこはそれ、オハナシだから、
こちらは安全圏に身を置きながら、
その派手な壊れ具合を、しかし、ひやひやしながら見守ることになる。


設定や展開は、過去のクライム映画からの
さながらコラージュの趣き。

デジャブの様に、記憶に引っかかるシーンが
次々と展開される。

核心のストーリーは一直線。だが、
次々と新たな事実が提示され(しかし不自然ではない)
我々は、その度に、異なる側面を見ることになり、
神経の休まる暇は無い。


また全体の構成に信憑性を寄与しているのが
主人公のタフさの表現で、
格闘技の強さは、基本、体重に依るところが大なのだが
(だからボクシングやレスリングは
数キロ単位で階級が分かれている)、
〔ハンナ〕や〔ソルト〕は設定的には面白いものの、
前述の点の説得力は決定的に欠けている。

が、本作はその根幹である
主人公の鍛えあげられた肉体を当初に見せることで、
確信に近い説得力を与えている。
ここいら辺の語り口は上手い。


もう片方の主人公の中国人少女が
かなりぶちゃいくなことはさて置き、
小気味よい出来の一作。

観ておいて損は無い、
思わぬ拾いモノ。