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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

東京学芸大学日本画研究室 卒業制作・院生作品展 2010@佐藤美術館 2010年2月7日(日)

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八名が各々複数作品を出展しているので、
計25点が展示されている。
本日が最終日の無料の展覧会。

本展の大きな特色は、
古典の模写が並べて展示されている点。
例えば、『伊丹さえこ』は『若冲』の〔動植綵絵〕から
〔池辺群虫図〕。
細部まで忠実に再現されている(顔料等の厚みには欠けるようだが)。
成る程、基本的な画力があってこそ、
自分の世界に再構築できると言うことか。

『平尾真実』の〔花のつぼみが綻ぶよりも〕。
セピア色の画面の背景には、一面の障子。
上部の中空からは、両の手首だけが忽然と突き出している。
下には籐の籠。手から解き放たれた花が積もってる。
落ちる途中の花も含めて、時が静かに止まっているようだ。

『岩下瑠衣』の猫をモチーフにした計六点の作品。
黒い画面には白で、白い画面には黒で、
何れも詳細な線で猫の姿態が描かれている。
丁寧に描写された猫の毛は、ふうわりと柔らかそうだ。

『村上友紀』の〔三つ巴〕。
これも猫の絵は、模様の異なる三匹の猫が、互いの尾を追うように、
巴形に描かれている。
彼らの表情は、怒っているように厳しい。
『フジタ』の描く猫に良く似ている。
しかし、こちらの毛並はぺったりと描かれ、
それが逆に躍動感を醸している。


名前からすると、全員が女性だろうか。
こんなに空いているのは、
本当に勿体無い。