RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

らぁ麺 飯田商店 湯河原本店@湯河原 

その所在地から、たぶん一生行くことは無いだろうと思っていた。
なにせ交通費だけで
ほぼラーメン三杯分相当の往復三千円強かかる。

加えて「OMAKASE」の予約手数料390円も。

が、今回、目的地と同所だったので、
じゃあ頑張って見るかと、予約に挑む。


予約開始は火曜日の12時から一週間分を。
但し、火・水曜日は定休。

11:00~11:45
12:00~12:45
13:00~13:45
・・・・・・・・
のタームで十席のカウンターと
四人掛け二卓のテーブルを争う。

まぁ、運が良ければ、程度に考えていたら、
数分の苦闘の末、席が確保され、
なんてラッキー。


当日は10分前を目途に集合とのことなので、
暑い最中を【駅前通り】の緩い坂を下って行く。


既に何組かが店頭に屯し、
随時食券を購入中。

店外の向かって左手に在る券売機で食券を購入。
15分前くらいになると、店員さんが外に出て来て、
予約氏名・人数・メニューの確認。


食したのは、
つけ麺(塩)。
値段は2,000円。

ラーメン一杯に払った額としては
過去最高と思われ。


定刻になると名前を呼ばれ、入店の案内に従い、
奥から詰めて着席。

度毎に店主が「本日は宜しくお願いします」と挨拶。
それ以外の対応も頗る丁寧で温かみがあり。


そこから9分ほどの待ちで、先ずは薬味が供される。

白髪葱はつけ汁に、
櫛切りの酢橘も同様、味変に。

山葵と鰹梅は麺に直接との案内。

これだけの数のアイテムを出されるのは
お初かもしれない。


次いで出されたのは湯飲みに入った液体で、

醤油色も、乾物魚介の旨味がぎゅっと詰まったもの。
これもおいおいつけ汁に足して味変をする。


つけ汁は最後に到着。

澄んだ黄金色が美しい。

鶏出汁と鶏油が濃厚な塩味で、
分厚い旨味と尖りの無いまろみのある鹹さが効いたバランスが素晴らしい。

これだけでも、ずるずると幾らでもイケるのでは。


麺の盛り込みが供され、また吃驚。

二色盛り、だ。

見た目は「稲庭饂飩」と「田舎蕎麦」。
共に100gちょっとの量はあるか。


前者は、やや細、ストレート。
表面は滑らかで、軟らかめの茹で加減。

しなっとした口当たりに
滑らかに喉を滑る感覚が心地良い。


後者はそれより太目の平、ストレート。
黒々とした全粒粉。

ややごわりとした食感に
挽ぐるみのように穀物の香りが強く鼻に抜ける。


チャーシューは二種。
何れも「サイコロキャラメル」大。

低温調理と焼豚タイプで
味も食感も異なる。

後者には山椒も降られ、
ちょっと蒲焼チックな趣き。


小さい椎茸は石づきをくり抜かれ、
炙られて、素材の旨味が活性化して美味しい。


食べ進めると、追加で出されたのは、

昆布出汁とチャーシュー。

出汁は麺に直接掛け、
チャーシューはつけ汁に投入との案内。

昆布は「がごめ」かしら?
とろみは強く、糸を引くほど。
それでいて味は軟らかく、尖りは無い。

チャーシューは薄切りの低温調理で
塩味が効いている。

溶け出した塩味で、水分で薄まったつけ汁の味が
再びブーストされる。


短冊大の海苔三枚も
厚みがあり、香りも良いもの。


つけ汁も、麺の器の昆布出汁を
蓮華で掬い注ぎ込み、完飲する。


評価は、☆5点満点で5.0(☆☆☆☆☆)。


食べる前は、どれほどのものか?と
正直懐疑的だったが、
食べ終われば体験として楽しませようとの姿勢と
その美味しさに頭を垂れるしかない内容。

遠方から繰り返し訪れる人が居る理由が
判る気がする。