一年二ヶ月振りの標題店。
新規開店からまださほど月日が経っていないのに多くの店にその「貝出汁」のフォーマットを卸している。
例えば、こことか。
その大本の味はどうだったかしら、と気になって久方振りに足を向ける。
店内は厨房に向いたストレート三席と窓に向いたやはり三席のカウンター、
二人掛けのテーブルが四卓。
11:35の入店で先客は三。
その後食べ終わって出るまでの来客は一。
券売機は入り口正面。
食したのは、貝出汁 味玉醤油つけ麺 あさり昆布水仕立て。
値段は980円。
食券を渡してから6分ほどで麺とつけ汁が同時に供される。
こうして見ると、やはりこれで一杯のラーメンに見えなくもない。
チャーシューはトランプ大の低温調理ロース肉が一枚。
かなり生っぽい外見。
出汁を採るのに使った残滓だろうか、
細かく刻まれた昆布がねっとりとかたまって置かれている。
でもこれは、味の邪魔にはららんよね。
玉子の表面は薄く色付き半分に割れば硬めの茹で加減。
黄身はほくほくとして美味しい。
麺は細、捻じれ。茶色い粒子が散在する全粒粉。
透明感あり表面はつるつる。するっと啜れば、しこっとした噛み応え。
量は200gちょっとか。
昆布+浅利の出汁は軽い粘度あり。
そのまま口に含めば上品で尖りのない旨味。
勿論、つけ汁に漬けても喧嘩はせず。
最後はほぼほぼ完飲してしまう。
中途、酢橘を振り搾り酸味をプラス。
あまり粘度が強くならずに飲みやすい。
つけ汁にも、チャーシューは入っているが出され方が面白い。
花札大のバラ肉が一枚。
ホウレン草と白髪葱、微塵切りの紫玉葱も入り表面には油の層、
その下には澄んだ琥珀色。
貝出汁のクセのある味は特徴的。
使う種類によって他所との差別化になるのだろうが、
ここくらい特色があっても、結構イケてしまう。
醤油も鹹過ぎず、深みのある日寝た旨味が好ましい。
評価は、☆5点満点で4.0(☆☆☆☆)。
「期間限定」と書かれている《貝まぜそば》も気になるところ。
でも他にも行きたい店はあるしどうにも悩ましい。