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好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

芸大コレクション展 春の名品選@東京芸術大学大学美術館 2009年5月30日(土)

【展示室1】では、”コレクション展”が開催されている。
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入場料は300円
同時開催の”尼門跡寺院の世界”から流れて来る人もいるが、
ほとんどはさっと回るだけ。なので、中はそんなに混雑していない。
じっくりと鑑賞できる。

前後期で展示替えがあるようだが、全部で八十点くらいだろうか。

では例によって、気になった作品を幾つか。

『山田敬中』の〔李夫人〕
これって、幽霊?
画面前には香炉。後ろには御簾。透かすように婦人が立っている。
顔ははっきり描写されているが、足元に行くに従い、次第に薄くなって行く。
ぞくっとするような美しさ。

菱田春草』の〔水鏡〕
湖の前に貴婦人。麗装に紗を纏い、紫陽花を触っている。
浅く微笑みながら湖面に姿が映っている。
穏やかな一瞬を捉えた作品。

和田英作』の〔少女新聞を読む〕
パステルのような淡い色調。浴衣を着た日本髪の少女が
花茣蓙に横たわり新聞を読んでいる。
真夏だろうか。脇には団扇が置かれている。
横になって新聞を読む、という明け透けな一瞬。
しかし、何とも優しい眼で切り取った時間が描写されている。

日本人の作品が殆んどだが、日本画・油絵・彫刻・近代ものとジャンルも多彩。
300円にしては充実度高いです。