RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

ラースと、その彼女@シネクイント 2008年12月26日(金)

年末の渋谷は大変な混雑。今日が仕事納めの人も多いのだろう、
まだ早い時間だけど、出来上がって店から出てくる酔っ払いを多数見かける。

そんな中、一人、映画である。

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ラースと、その彼女
【シネクイント】は受付で事前に指定席券に引き換えるスタイル。


かなりハンサムなのに、引き篭もりがちで人付き合いの苦手なラースが、
「ぼくにガールフレンドができたんだ」と兄夫婦に紹介したのは
等身大のリアルドール。そして・・・・。

有体に言ってしまうと、ウエルメイドストーリー。
教会を中心に、敬虔なキリスト教徒達が暮らしている田舎の村は、皆良い人ばかり。
最初は戸惑っていたものの、ラースが連れ歩くリアルドールビアンカ』に対して、
本当の人にように対応する。
ビアンカ』の存在が触媒となって、ラースは次第に地域社会との接触が増えて行く。

「『ビアンカ』がだんだん人間みたいに見えて来る」と言った声も有るようだが、
そんなことはないでしょ~。人形は人形のまま。
そう見えるのは、周りの村人達の努力の賜物。
皆がラースを愛していて、幸せになって欲しいと願っているから。

そして、雪が降り積る冬から、氷柱の融ける春に。
季節がうつろうように、ラースの心も次第に変化する。
ラストは「これ以外にはないでしょ~」という見事な落とし方。

くすっと笑わせ、じんわりと泣かせ、心が暖かくなる佳作。

カップルよりも、女性の一人客が多かった館内は、
かなり空いていた(勿論、日時にもよるのだろうが)。
もっと多くの人に観てもらいたいものだな。