RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

タイピスト!@109シネマズ川崎 2013年9月1日(日)

封切り三週目に突入。

しかし席数121の【シアター5】は満員の盛況。

客層は中高年の女性が圧倒的で、
こういった元気な映画から
パワーを貰いたい女性って多いんだろうか。


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フランスの片田舎から秘書を夢見て出てきた『ローズ(デボラ・フランソワ)』は
そのタイプの腕を見込まれ、小さな保険会社の社長『ルイ(ロマン・デュリス)』に雇われる。

しかし『ローズ』はタイプ以外の業務がからっきし。

試用期間も終わろうとする頃、
『ルイ』は彼女にある提案をする。
それは、『ローズ』のタイプの才能を生かすため、
「タイプライター早打ち大会」に参加することだった。

その日から二人の、猛特訓の日々が始まる。


いやいや、とんでもない拾いモノ。

さして期待はせずに鑑賞したのだが、
はらはらさせ、笑わせ、しんみりさせる。
此処には、エンターテイメントに必要な要素が
たっぷりと詰まっている。


そう、本作の実態は、日本人が大好きなスポ根モノなのだ。
タイプを早打ちさせる為の特訓は、
ブラインドタッチの会得に止まらず
肉体の鍛錬にまでおよび、
挙句の果てには、専用の器具まで登場させる(「大リーグボール養成ギプス」ですか?)。

早打ち選手権のマッチアップでは、カメラは二人の周りをぐるぐると回り、
ボクシングの試合の描写を彷彿とさせる。
激しい撃ち合いだ。

典型的な嫌味なライバルの登場と
それを打ち破って行くヒロイン。

そしてコーチとの関係は〔アラベスク〕(『山岸涼子』作)がそうであった様に、
実はBoy Meets Girlで始まる恋の発展系として王道である。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆★。

『ローズ』の部屋に『ヘプバーン』の写真が貼ってあることからも判る様に、
此処では50年代(〔パリの恋人〕に代表される)へのオマージュにも満ち溢れている。