封切りから一カ月近く経っているのに、
(この小屋では)一日一回限りと言えども
まだ上映が継続している。
(この小屋では)一日一回限りと言えども
まだ上映が継続している。
ただ、席数190の【シネマ2】の入りは
二十人程度と、はかばかしくは無い。
二十人程度と、はかばかしくは無い。
客層は高齢者が目立っている。

『遠間』の取引先のカメラチェーン社長の
『富樫(西村雅彦 )』
『富樫(西村雅彦 )』
実の親にネグレクトされているところを『遠間』に助けられ、
今は彼と同居している、まだ四歳の『圭輔』
今は彼と同居している、まだ四歳の『圭輔』
この四人が、何故、彼の地に居るのかが
作品のキモで、
本編140分の内、相応の時間を使い、
その間の事情を描き出す。
作品のキモで、
本編140分の内、相応の時間を使い、
その間の事情を描き出す。
もう五十になる『遠間』は老眼も進み
肉体的にも衰えが出始めている。
労働環境も、このご時世を反映し、
次第にキツイものになって行く。
また、彼とて、私生活に於いては、過去
決してキレイなカラダであったわけでは無い。
肉体的にも衰えが出始めている。
労働環境も、このご時世を反映し、
次第にキツイものになって行く。
また、彼とて、私生活に於いては、過去
決してキレイなカラダであったわけでは無い。
『富樫』は『富樫』で、(口調からも判る様に)
関西から東京への進出をした判断が正かったのかを迷い、
真っ当な商売をして行くには難しい時代だと感じ、
自身の浮気の後始末にも悩み、
更には周囲に信頼できる人間が居ないため
無理やり『遠間』に親友になってくれる様、拝み倒す。
関西から東京への進出をした判断が正かったのかを迷い、
真っ当な商売をして行くには難しい時代だと感じ、
自身の浮気の後始末にも悩み、
更には周囲に信頼できる人間が居ないため
無理やり『遠間』に親友になってくれる様、拝み倒す。
悠々とした生活を送っている様に見える『篠原』でさえ、
昔の暗い影を引き摺っており、
それが次第に明らかになる。
昔の暗い影を引き摺っており、
それが次第に明らかになる。
周囲の人達む含め、全ての登場人物が
人生の岐路に立ち苦しんでいる。
しかし、本作は、そのすべてを肯定し、
あくまでも優しく包み込む。
人生の岐路に立ち苦しんでいる。
しかし、本作は、そのすべてを肯定し、
あくまでも優しく包み込む。
そのままの自分で良いのだと、
自分が正しいと思ったことをすれば良いのだと。
自分が正しいと思ったことをすれば良いのだと。
その意味で、これは寓話に満ちた
現代の御伽噺であり、観終わった後は、
ココロがふうわりと軽くなる。
現代の御伽噺であり、観終わった後は、
ココロがふうわりと軽くなる。
観客の我々をも、軟らかに肯定してくれるのだから。
評価は☆五点満点で☆☆☆☆。