RollingStoneGathersNoMoss健啖部

好奇心の向くままどたばたと東奔西走するおぢさんの日記、健啖部の活動報告。文化活動履歴の「文化部」にも是非お立ち寄り下さい

世界にひとつのプレイブック@TOHOシネマズシャンテ 2013年3月14日(木)

席数201の【CHANTER-2】の入りは
六割程度と思いの外空いている。

アカデミー賞」に多数ノミネートはされたものの、
最終的な受賞は主演女優の『ジェニファー・ローレンス』だけに
留まったことが遠因かもしれないが、
封切り三週目でこの状況は
本日が「TOHOシネマズデイ」であることを勘案しても
まずまずの状況かもしれない。

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妻の浮気の現場に心ならずも踏み入ってしまい、
間男をぼこり倒した為に、
刑務所~精神病院と廻され、
挙句には職を失い、妻への接見禁止令を出されたしまった
『パット(ブラッドレイ・クーパー)』。

一方、夫を不慮の事故で亡くし、
その寂しさを埋めるのに、職場の全ての男女と寝てしまったため
解雇の憂き目にあった『ティファニージェニファー・ローレンス)』。

そんな二人が、ひょんなことで出会い、
周囲に軋轢を生みながら、次第に救済されて行く。


此処には、現代のアメリカが抱える病理が
これでもか、と言うほど盛り込まれている。

不倫や暴力、躁鬱を始めとする精神的な不安定さ。
カウンセリング。
本当に悪いのは浮気をした妻である筈なのに、
傍に近づけない理不尽さ。
親子間の断絶。
一度沈んだら浮かび上がることが不可能な
停滞した社会構造。


そういった意匠を纏ってはいるものの、
おハナシの本質は、昔ながらの
「ボーイ・ミーツ・ガール」の世界。

ただ、主人公が二人とも
ココロを病んでいる設定が斬新。

司法判断で退院はしたものの、
『パット』の日頃の言動は奇矯そのもの、
それは『ティファニー』とて同様、
突飛な行動には病が影を落としていることが
容易に見て取れる。

じゃぁ周りの大人達が真面かと言うと、
NFLを利用したノミ行為に熱中する『パット』の父親
を始めとし、どことなくおかしい。


論点は
『パット』と『ティファニー』の関係の
行く末に収斂し、私達は二人の
ココロのすれ違いにやきもきする。

何と無くズレている、この恋は
本当に成就するんだろうか。


主演女優賞を取ったことからも判る様に、
ジェニファー・ローレンス』はファニーフェイスで
とってもキュート。
時々にエキセントリックになるけれど、
こんな娘が傍に居たら、誰でも惚れてしまうだろう。


評価は☆五点満点で☆☆☆☆。


主人公の父親役の『デ・ニーロ 』も
息子達との関係に悩み、老後の人生設計にも悩む
複雑な性格付けの人物を素晴しく好演。